半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
カマルは、ただただ肩を落として俯いている。リリアは、視線をゆっくりとアサギへと移した。
「……無理なの?」
「無理です。一般的に知られている岩のあやかしでも、最小クラスで数百キロはあります。化け大狸の領地主が用意したというくらいですから、桁違いの大きさかと」
思わず確認したリリアは、桁違い、と口の中で繰り返した。ちらりと見やってみれば、こちらに目を戻していたカマルが、青い顔で小さく首を振ってくる。
「ねぇアサギ、あなたの予想だと、かなり大きい?」
「大狸の領地主も、かなり大型クラスの大妖怪ですからね。そのへんの小岩なんて持たないですし、恐らくはとても大きいです」
こーんなです、とアサギが他人事の無関心な表情で大きさを伝えてきた。
「無理なのに言うって、その父親狸、性格悪くない?」
「それが化け大狸というものです。性格が、少々曲がっているのですよ」
アサギは、曲がっている、という部分で指先をちょちょいっと動かした。
「……無理なの?」
「無理です。一般的に知られている岩のあやかしでも、最小クラスで数百キロはあります。化け大狸の領地主が用意したというくらいですから、桁違いの大きさかと」
思わず確認したリリアは、桁違い、と口の中で繰り返した。ちらりと見やってみれば、こちらに目を戻していたカマルが、青い顔で小さく首を振ってくる。
「ねぇアサギ、あなたの予想だと、かなり大きい?」
「大狸の領地主も、かなり大型クラスの大妖怪ですからね。そのへんの小岩なんて持たないですし、恐らくはとても大きいです」
こーんなです、とアサギが他人事の無関心な表情で大きさを伝えてきた。
「無理なのに言うって、その父親狸、性格悪くない?」
「それが化け大狸というものです。性格が、少々曲がっているのですよ」
アサギは、曲がっている、という部分で指先をちょちょいっと動かした。