半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
カマルの狸姿から少し考えてみると、そんな大きな相手からの要求を、すんなり受理したということにも困惑が止まらない。
「あなた、岩が小さいだろうと思ったから、『はい、やります』と答えたの?」
思わず尋ねてみると、カマルがぶんぶんと首を左右に振ってきた。
ということは、アサギと同じく、彼も当初から岩の大きさを推測していたのだろう。とんでもなく大きいものがくるかもしれない、と。
……それなのに引き受けたのか?
感じ取った妖力からすると、彼が数百キロをどうにかするのは難しそうだ。里までの道に大きな岩を置かれた時、カマルは何も言わなかったのか。
「それなのに、あなたはそれを受けたの?」
だって、どう考えてもひどい。
リリアはそう思って言った。すると、カマルが、狸姿の時と同じ、くりくりっとした真っすぐな目で見つめ返してきて、手振りを交えて答えてくる。
「何か方法があると思うんです。彼女の父親です。きっと考えがあって、あの方なりに、ご自分の父親心と折り合いをつけて、そう言ってくださったと思うのです」
バカなくらい、いいやつだ。
リリアは、スカートの上に置いた手にぐっと拳を作った。
「あなた、岩が小さいだろうと思ったから、『はい、やります』と答えたの?」
思わず尋ねてみると、カマルがぶんぶんと首を左右に振ってきた。
ということは、アサギと同じく、彼も当初から岩の大きさを推測していたのだろう。とんでもなく大きいものがくるかもしれない、と。
……それなのに引き受けたのか?
感じ取った妖力からすると、彼が数百キロをどうにかするのは難しそうだ。里までの道に大きな岩を置かれた時、カマルは何も言わなかったのか。
「それなのに、あなたはそれを受けたの?」
だって、どう考えてもひどい。
リリアはそう思って言った。すると、カマルが、狸姿の時と同じ、くりくりっとした真っすぐな目で見つめ返してきて、手振りを交えて答えてくる。
「何か方法があると思うんです。彼女の父親です。きっと考えがあって、あの方なりに、ご自分の父親心と折り合いをつけて、そう言ってくださったと思うのです」
バカなくらい、いいやつだ。
リリアは、スカートの上に置いた手にぐっと拳を作った。