半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「私、やられっぱなしは嫌いな性分よ」
響き渡ったリリアの声。
それが彼女の〝答え〟だった。アサギが承知した様子で、背筋を伸ばして話を真面目に聞く姿勢を取る。
「やるわよ、カマル。その眠っているという岩のあやかしを、どかすの。そのクソ親父をギャフンと言わせるためにね。そして、あなたはメイちゃんを迎えに行くのよ」
好き合っている恋を邪魔するなんて、そもそも許せない。
誰かに愛されて、そして自分も恋ができるなんて、滅多にない〝特別なこと〟なのに。
――とはいえ、リリアが直接手を出すことはできない。
これは、カマルに課せられた試験みたいなものだ。それを彼も分かっているから、先程『知恵を貸してください』と突撃してきたのだろう。
ならば一緒に考えてやることが、今のリリアにできることだ。
そうすることを決めて、リリアはすくっと立ち上がった。
「実際に、その岩とやらを見てみましょう」
「協力してくれるんですか!? ありがとうございます!」
やっぱり少年にしか思えない態度で、カマルがリリアの手を握ってぶんぶん振った。
だがその直後、リリアの妖力が刺激に反応して眩しい放電を放った。再び少し焦げてひっくり返った彼を見て、リリアは「あ」と放電期中だったのを思い出す。
「そういえばそうだった。……畑にいる父様たちのところに行かなくて、正解だったわね」
本来であれば、今日までは屋敷で大人しくしている予定だったのだ。ずっとの放電は落ち着いたとはいえ、まだまだ気は抜けない状況だ。
響き渡ったリリアの声。
それが彼女の〝答え〟だった。アサギが承知した様子で、背筋を伸ばして話を真面目に聞く姿勢を取る。
「やるわよ、カマル。その眠っているという岩のあやかしを、どかすの。そのクソ親父をギャフンと言わせるためにね。そして、あなたはメイちゃんを迎えに行くのよ」
好き合っている恋を邪魔するなんて、そもそも許せない。
誰かに愛されて、そして自分も恋ができるなんて、滅多にない〝特別なこと〟なのに。
――とはいえ、リリアが直接手を出すことはできない。
これは、カマルに課せられた試験みたいなものだ。それを彼も分かっているから、先程『知恵を貸してください』と突撃してきたのだろう。
ならば一緒に考えてやることが、今のリリアにできることだ。
そうすることを決めて、リリアはすくっと立ち上がった。
「実際に、その岩とやらを見てみましょう」
「協力してくれるんですか!? ありがとうございます!」
やっぱり少年にしか思えない態度で、カマルがリリアの手を握ってぶんぶん振った。
だがその直後、リリアの妖力が刺激に反応して眩しい放電を放った。再び少し焦げてひっくり返った彼を見て、リリアは「あ」と放電期中だったのを思い出す。
「そういえばそうだった。……畑にいる父様たちのところに行かなくて、正解だったわね」
本来であれば、今日までは屋敷で大人しくしている予定だったのだ。ずっとの放電は落ち着いたとはいえ、まだまだ気は抜けない状況だ。