半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
思い返すリリアの頭の上で、もふもふの狐の耳がやや気落ちを示した。
「姫様、妖怪国に少し入ることになりますが、よろしいですか?」
「パッと入って、パッと出るわ」
答えながら、リリアは気を取り直すと、アサギと一緒にカマルを助け起こした。少し放電してしまったことを謝ったら、彼が焦げたあとを変身術で消して、ピシッと背を伸ばした。
「うっかりの放電でも、威力半端ないっすね! ますます尊敬です! 姫様、どうぞこちらへ、さっそくご案内します!」
カマルが、両手をパンっと合わせて宙を押し開く。
すると、そこに別の森の風景が広がった。リリアは、びっくりして金色の目を丸くした。
「こんなところに、妖怪国の入口があったの?」
「化けた狸の里は、妖怪国の中でも人間界寄りなので、どこにいても入口を開けるんですよ」
「へぇ、それは便利ねぇ」
「まぁ、化け狸は人間界生まれも結構いますからね」
関心の声を上げたリリアに続いて、そう補足したアサギが空間の入り口をくぐり。
――三人の姿は、その場所から消えた。
「姫様、妖怪国に少し入ることになりますが、よろしいですか?」
「パッと入って、パッと出るわ」
答えながら、リリアは気を取り直すと、アサギと一緒にカマルを助け起こした。少し放電してしまったことを謝ったら、彼が焦げたあとを変身術で消して、ピシッと背を伸ばした。
「うっかりの放電でも、威力半端ないっすね! ますます尊敬です! 姫様、どうぞこちらへ、さっそくご案内します!」
カマルが、両手をパンっと合わせて宙を押し開く。
すると、そこに別の森の風景が広がった。リリアは、びっくりして金色の目を丸くした。
「こんなところに、妖怪国の入口があったの?」
「化けた狸の里は、妖怪国の中でも人間界寄りなので、どこにいても入口を開けるんですよ」
「へぇ、それは便利ねぇ」
「まぁ、化け狸は人間界生まれも結構いますからね」
関心の声を上げたリリアに続いて、そう補足したアサギが空間の入り口をくぐり。
――三人の姿は、その場所から消えた。