半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「カマルって、慣れてくるとすごく話すのね……」
「元来、お喋り好きな種族ですよ。若ければ若いほど顕著なのですが、無駄にテンションが高いのが、俺は昔から性に合いません」
「そこ、アサギと似ているような気がす――」
「小さいあやかしでも使えるその方法ですが」
アサギが、わざわざ手を打ってまでリリアの台詞を遮り、話を戻した。
「妖力で熱を加えれば冷たくなり、冷やすと熱くなる『逆さ草』という妖怪国の植物があります。実はそれ、我が屋敷の原の下に生えています」
「えっ、なんでそんなのがあるの!?」
リリアはびっくりして、直前までの性格云々の下りも、頭の中から吹き飛んだ。
「ん? ……というか、下、って?」
「植物ではありますが、土の中で育って茂るんですよ。姫様の雷撃の吸収剤で植えてみたところ、この土地に濃く漂っている妖力で、すくすく育ちまして」
なんだか、そうして聞くと、性質からして『へその曲がった草』みたいに思える。
説明しながら足をどかされ、カマルがよいしょと立ち上がった。ひどい目に遭ったと服に付いた汚れをはたきつつ、話し続けているアサギを見る。
「その草に微力な妖力を加えながら、編んで繋げていきます。そして最終的には、あの大岩をぐるぐる巻けるくらいまでの長さを作ります」
リリアは、え、と一瞬言葉を詰まらせてしまった。
「元来、お喋り好きな種族ですよ。若ければ若いほど顕著なのですが、無駄にテンションが高いのが、俺は昔から性に合いません」
「そこ、アサギと似ているような気がす――」
「小さいあやかしでも使えるその方法ですが」
アサギが、わざわざ手を打ってまでリリアの台詞を遮り、話を戻した。
「妖力で熱を加えれば冷たくなり、冷やすと熱くなる『逆さ草』という妖怪国の植物があります。実はそれ、我が屋敷の原の下に生えています」
「えっ、なんでそんなのがあるの!?」
リリアはびっくりして、直前までの性格云々の下りも、頭の中から吹き飛んだ。
「ん? ……というか、下、って?」
「植物ではありますが、土の中で育って茂るんですよ。姫様の雷撃の吸収剤で植えてみたところ、この土地に濃く漂っている妖力で、すくすく育ちまして」
なんだか、そうして聞くと、性質からして『へその曲がった草』みたいに思える。
説明しながら足をどかされ、カマルがよいしょと立ち上がった。ひどい目に遭ったと服に付いた汚れをはたきつつ、話し続けているアサギを見る。
「その草に微力な妖力を加えながら、編んで繋げていきます。そして最終的には、あの大岩をぐるぐる巻けるくらいまでの長さを作ります」
リリアは、え、と一瞬言葉を詰まらせてしまった。