半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「まず、土の上を妖力をこめて軽く数回叩くと、つられて根が出てきます」
言いながら、アサギが実践する。
すると、新緑色の根が土からするりと出てきた。それは風に吹かれたわけでもないのに、ゆらゆらと左右に振れている。
「茶色じゃないのね」
「実のところ、この妖怪国産の植物は、根の部分が本体なんですよ。こうやって先端部分を引っ張れば、ちぎられたくないので、するすると出てきます」
その様子を、カマルがリリアと一緒になって、興味津々と見つめていた。
「わー、俺、こんな植物はじめて見たなぁ」
「妖怪国の中央に生息しているものですから、化け狸の土地では見掛けないでしょうね。こう見えて最弱の植物のあやかしの一種です」
「だから『ちぎられたくない』と言ったのね」
「そうです。そして、この根から一本ずつ生えているのが、あやかしが術で使う部分の『逆さ草』です」
アサギが、指を向けてそう説明した。
新緑色の細い根には、間隔を開けて一本ずつ小さな草が生えていた。人差し指ほどの長さの細い茎、その上に、四枚からなる小さなひし形の草がある。
それを一本ずつ取っては、微力に妖力を入れて結んで繋いでいくという作業をした。
言いながら、アサギが実践する。
すると、新緑色の根が土からするりと出てきた。それは風に吹かれたわけでもないのに、ゆらゆらと左右に振れている。
「茶色じゃないのね」
「実のところ、この妖怪国産の植物は、根の部分が本体なんですよ。こうやって先端部分を引っ張れば、ちぎられたくないので、するすると出てきます」
その様子を、カマルがリリアと一緒になって、興味津々と見つめていた。
「わー、俺、こんな植物はじめて見たなぁ」
「妖怪国の中央に生息しているものですから、化け狸の土地では見掛けないでしょうね。こう見えて最弱の植物のあやかしの一種です」
「だから『ちぎられたくない』と言ったのね」
「そうです。そして、この根から一本ずつ生えているのが、あやかしが術で使う部分の『逆さ草』です」
アサギが、指を向けてそう説明した。
新緑色の細い根には、間隔を開けて一本ずつ小さな草が生えていた。人差し指ほどの長さの細い茎、その上に、四枚からなる小さなひし形の草がある。
それを一本ずつ取っては、微力に妖力を入れて結んで繋いでいくという作業をした。