半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
 アサギが、三人分のカップを用意しながら「はい」と頷いた。

「明日の、午後の早い時間までには仕上がるでしょう。あれだけあれば、あの岩のあやかし分は足りると思います」
「じゃあ、俺っ、明日にはメイに会えるんですか!?」
「そうなるんじゃないですかね。姫様の放電期も終わりそうですし、明日には帰って頂きたいですね」

 そっけない言い方だったのに、カマルが「わぁ」と嬉しそうな笑顔になった。

「ありがとうございますアサギ様!」
「あなたの理解力のなさには、ほんとガッカリです。からかい甲斐もない、はぁ」
「まぁまぁ、喜ばしいことじゃない」

 ふふっとリリアは微笑ましげに笑った。

 なんやかんやと言って、アサギが面倒見いいのは分かっていた。いつも、カマルの世話まできちんとやって寝かしてもいた。

「私も、明日は少しでも早く進められるように、せいいっぱい頑張るわね」
「姫様! ありがとうございますっ!」

 途端にカマルの喜びが弾ける。
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