半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
アサギが、何を今更、と呆れた目を向ける。
「そりゃ、こんだけ偏って集められていたら、気付くでしょう」
「だってカマルは可愛い狸じゃないっ、本の内容には気付かないと思ったの!」
それを聞いたカマルが、ベッドの上でうーんと首を傾げる。
「姫様、俺、いちおう結婚する予定の大人なんですけど……。あ、でも了解しました。つまり姫様って、こういう人間のイケメン騎士様が心底タイプなんですね!」
「うわぁっ、カマルお願いイイ笑顔で言うのやめて! すごく恥ずかしいから!」
「なんで恥ずかしいんですか? 伴侶が欲しくなるのは当たり前ですよ、子作りの相手候補ってことでしょ――ふげっ」
「動物思考で姫様に語らないでくたざい」
またしてもアサギが、カマルの頭をもふっと掴んで、ベッドに沈めた。
※※※
その頃、王宮ではサイラスが苛立ちを放っていた。
魔法部隊の代表として、各軍が集められた会議が長引いて日暮れまで行われた。自室に引き上げる前に、明日のスケジュールを執務室で確認しているところだ。
「そりゃ、こんだけ偏って集められていたら、気付くでしょう」
「だってカマルは可愛い狸じゃないっ、本の内容には気付かないと思ったの!」
それを聞いたカマルが、ベッドの上でうーんと首を傾げる。
「姫様、俺、いちおう結婚する予定の大人なんですけど……。あ、でも了解しました。つまり姫様って、こういう人間のイケメン騎士様が心底タイプなんですね!」
「うわぁっ、カマルお願いイイ笑顔で言うのやめて! すごく恥ずかしいから!」
「なんで恥ずかしいんですか? 伴侶が欲しくなるのは当たり前ですよ、子作りの相手候補ってことでしょ――ふげっ」
「動物思考で姫様に語らないでくたざい」
またしてもアサギが、カマルの頭をもふっと掴んで、ベッドに沈めた。
※※※
その頃、王宮ではサイラスが苛立ちを放っていた。
魔法部隊の代表として、各軍が集められた会議が長引いて日暮れまで行われた。自室に引き上げる前に、明日のスケジュールを執務室で確認しているところだ。