半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
翌日もリリアは、屋敷の庭の一つである原の方へと足を運んだ。アサギとカマルと一緒になって『逆さ草』を、妖力を込めながら結んでいく作業を続けた。
あと残りわずかだ。
父も村長との話で出払っているし、ちゃちゃっと進めてしまいたい。
料理長達にお願いして、昼食用に軽食のサンドイッチを作ってもらった。小腹がすいたらサンドイッチをもぐもぐとして、再び作業へ戻る。
やがて、アサギから『オーケー』という仕草が出た。
「やった――――っ! 完成!」
「やりましたね姫様!」
リリアとカマルは、もうこれ以上集中できないと言わんばかりに、手を叩いて喜び合った。続いて仕上げに、これまで作った『逆さ草』を一本にすべく、せっせと結ぶ。
「だから俺、言ったんですよ。姫様は集中力がないから、と」
アサギが、手元をさくさくと動かしていきながら言った。
「うっ、うるさいわね、私がんばったでしょ!?」
「途中、蝶々がひらひらと飛んで行くのを見て、そわそわしていましたけどね。よく我慢したと思いました。――そこの小物狸も同類でしたが」
「ひぇっ」
そもそもテメェが一番にやんなきゃダメだろ分かってんのか?と、アサギに無言の目を向けられたカマルが、ぞわぞわーっとして竦み上がる。
あと残りわずかだ。
父も村長との話で出払っているし、ちゃちゃっと進めてしまいたい。
料理長達にお願いして、昼食用に軽食のサンドイッチを作ってもらった。小腹がすいたらサンドイッチをもぐもぐとして、再び作業へ戻る。
やがて、アサギから『オーケー』という仕草が出た。
「やった――――っ! 完成!」
「やりましたね姫様!」
リリアとカマルは、もうこれ以上集中できないと言わんばかりに、手を叩いて喜び合った。続いて仕上げに、これまで作った『逆さ草』を一本にすべく、せっせと結ぶ。
「だから俺、言ったんですよ。姫様は集中力がないから、と」
アサギが、手元をさくさくと動かしていきながら言った。
「うっ、うるさいわね、私がんばったでしょ!?」
「途中、蝶々がひらひらと飛んで行くのを見て、そわそわしていましたけどね。よく我慢したと思いました。――そこの小物狸も同類でしたが」
「ひぇっ」
そもそもテメェが一番にやんなきゃダメだろ分かってんのか?と、アサギに無言の目を向けられたカマルが、ぞわぞわーっとして竦み上がる。