半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
ぶるぶる震えていたカマルが、そろりそろりとあとずさりして、リリアの後ろでポンッと人間に化け直す。
サイラスが改めて彼を目に留めた。何事もなかったかのように、長く連なった草同士を結んで更に長くしていっているアサギ。そして、同じくそれを手に持っているリリアへと目を戻してから、彼女に尋ねた。
「――一体、部屋で休みもせず、こんなところで何をしているのか、聞いても?」
遠回しで、ずる休みを疑われている気がする。
やはり彼は、王宮にいる誰かに説得されて嫌々ここへ来たのだろう。リリアは、屋敷の使用人に聞いても教えてもらえなかったのだと続けたサイラスを見て、そう思った。
サイラスがカマルをしつこく睨み続けているので、リリアは今回の経緯を教えた。
結婚の下りでようやく魔力を抑えた彼は、けれど地道なその草作業に呆れた様子だった。
「伯爵令嬢のお前が、草遊びか?」
「失礼ね、これはれっきとした術具作製なの!」
リリアは、狐の耳をぴーんっとさせて主張した。
サイラスが改めて彼を目に留めた。何事もなかったかのように、長く連なった草同士を結んで更に長くしていっているアサギ。そして、同じくそれを手に持っているリリアへと目を戻してから、彼女に尋ねた。
「――一体、部屋で休みもせず、こんなところで何をしているのか、聞いても?」
遠回しで、ずる休みを疑われている気がする。
やはり彼は、王宮にいる誰かに説得されて嫌々ここへ来たのだろう。リリアは、屋敷の使用人に聞いても教えてもらえなかったのだと続けたサイラスを見て、そう思った。
サイラスがカマルをしつこく睨み続けているので、リリアは今回の経緯を教えた。
結婚の下りでようやく魔力を抑えた彼は、けれど地道なその草作業に呆れた様子だった。
「伯爵令嬢のお前が、草遊びか?」
「失礼ね、これはれっきとした術具作製なの!」
リリアは、狐の耳をぴーんっとさせて主張した。