半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
仕上がった『逆さ草』を、三人がかりで並んで抱え運んでいる間も、サイラスが後ろから付いてきたのだ。
なぜかサイラスは帰らない。服装を見る感じ、仕事が入っている感じもするのだけれど……。
「邪魔っすねー」
屋敷の敷地内にある木々へと向かいながら、アサギがこそっと言った。
「なんか、すごくやりづらいわ……」
「俺、姫様が『嫌だ』というのも、分からないでもないです。あの人間の王子、やばい感じ」
「でしょー」
リリアは、自分よりも年下の少年姿なカマルに、うんうんと相槌を打った。女子トークみたいだなと、隣でアサギが口の中で密かに感想をもらしていた。
そうしている間にも、そろそろこの辺で里の入り口を開こうかと、カマルが立ち止まった。
基本的に、出入りするのを人間に見られたくない習性がある。
同じく後ろで立ち止まったサイラスを、カマルがちらりと見やった。
「あの、彼も入るんですか?」
「まぁ警戒せずとも大丈夫ですよ。いちおう利口なところもある魔法使いです」
いちおう、を強調してアサギはが述べた。
なぜかサイラスは帰らない。服装を見る感じ、仕事が入っている感じもするのだけれど……。
「邪魔っすねー」
屋敷の敷地内にある木々へと向かいながら、アサギがこそっと言った。
「なんか、すごくやりづらいわ……」
「俺、姫様が『嫌だ』というのも、分からないでもないです。あの人間の王子、やばい感じ」
「でしょー」
リリアは、自分よりも年下の少年姿なカマルに、うんうんと相槌を打った。女子トークみたいだなと、隣でアサギが口の中で密かに感想をもらしていた。
そうしている間にも、そろそろこの辺で里の入り口を開こうかと、カマルが立ち止まった。
基本的に、出入りするのを人間に見られたくない習性がある。
同じく後ろで立ち止まったサイラスを、カマルがちらりと見やった。
「あの、彼も入るんですか?」
「まぁ警戒せずとも大丈夫ですよ。いちおう利口なところもある魔法使いです」
いちおう、を強調してアサギはが述べた。