半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「妖怪国に害を与えようなどとは考えないと思いますし、そんな動きを見せたら『口実ができたぜやったー』という感じのテンションで、責任を持って俺と里の者達で〝潰し〟ます」
それを後ろで聞いていたサイラスが、ぴきりと青筋を立てた。
「おい、本人が聞こえる距離でそれを口にするか?」
「しますよー。俺は、相手が人間界の王子だろうが関係ないんですー。俺にとっては、姫様だけが偉いんですー」
いちいち人をおちょくる狐である。
リリアは、まぁまぁとアサギをなだめた。
あやかしの〝化かし〟の性質を持っているアサギは、もともとこんな感じだった。普段からツヴァイツァーも平気で怒らせているくらいだ。
カマルが妖怪国の道を開いて、みんなで進んでいった。
しばらくもしないうちに、例の大妖怪の化け大狸〝タヌマヌシ〟が治めているという、化け狸の里へと続く道が見えてきた。
「これは、随分とデカい〝岩〟だな」
見上げて、サイラスが目測しながら言った。
それを後ろで聞いていたサイラスが、ぴきりと青筋を立てた。
「おい、本人が聞こえる距離でそれを口にするか?」
「しますよー。俺は、相手が人間界の王子だろうが関係ないんですー。俺にとっては、姫様だけが偉いんですー」
いちいち人をおちょくる狐である。
リリアは、まぁまぁとアサギをなだめた。
あやかしの〝化かし〟の性質を持っているアサギは、もともとこんな感じだった。普段からツヴァイツァーも平気で怒らせているくらいだ。
カマルが妖怪国の道を開いて、みんなで進んでいった。
しばらくもしないうちに、例の大妖怪の化け大狸〝タヌマヌシ〟が治めているという、化け狸の里へと続く道が見えてきた。
「これは、随分とデカい〝岩〟だな」
見上げて、サイラスが目測しながら言った。