半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「『騎士様』って……どうぞ『コンラッド』とお呼びください」
やや肩を落としたコンラッドが、気を取り直すように顎に手をあてて考える。
「僕がくる直前まで、話していたんですよね。確か、教えてくれた生徒が、そう口にしていましたから」
話していたというか、一方的に色々嫌味を言われただけの気がするけれど……。
そんなリリアの心境を察知したのか、コンラッドが「うっ」と思案の言葉も詰まらせて、深刻そうな顔をした。
「もしかして、何か言われました……?」
「あ、いえ、別に。そこまでたいしたことは、何も」
「言い方に棘がありますね……。実はアグスティーナ嬢は、ここ数年、殿下のお相手の候補として、高く支持を受けている公爵令嬢なのです」
なるほど、それで『あなたは相応しくない』などと言われるわけか。
敵意をいっぱい向けられたのは、そのためであったらしい。確かに、思い返してみると美しさと教養に溢れ、正当な婚約者候補と言われても全く違和感はない。
やや肩を落としたコンラッドが、気を取り直すように顎に手をあてて考える。
「僕がくる直前まで、話していたんですよね。確か、教えてくれた生徒が、そう口にしていましたから」
話していたというか、一方的に色々嫌味を言われただけの気がするけれど……。
そんなリリアの心境を察知したのか、コンラッドが「うっ」と思案の言葉も詰まらせて、深刻そうな顔をした。
「もしかして、何か言われました……?」
「あ、いえ、別に。そこまでたいしたことは、何も」
「言い方に棘がありますね……。実はアグスティーナ嬢は、ここ数年、殿下のお相手の候補として、高く支持を受けている公爵令嬢なのです」
なるほど、それで『あなたは相応しくない』などと言われるわけか。
敵意をいっぱい向けられたのは、そのためであったらしい。確かに、思い返してみると美しさと教養に溢れ、正当な婚約者候補と言われても全く違和感はない。