半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
これまでの社交でも、着実に支持と支援をもらいながら、貴族の妻として相応しい下積みまで行っている令嬢。
そんな相手に、そもそも対抗されるような立場ではない。
はじめから恋愛やら結婚に関して、リリアには勝ち目がないのだ。
――田舎貴族だけれど伯爵令嬢。しかし、リリアは〝半分人外〟である。
「私、結婚なんてしないのにね」
ぽつりとリリアの呟きが落とされた時、フィンがぎょっと目を向けた。
「この婚約も、ただの政治的な理由でされているだけで。……あと数ヶ月後には、みんな気付くんだわ。誰にも望まれていない子なんだって」
言葉を出したリリアは、一緒にぽろぽろと涙までこぼしてしまっていた。
かなり意外だったようだ。フィンだけでなく、コンラッドも大変驚いた様子で、半ば腰を上げる。
「ど、どうしたんですか? なぜ泣くんですか」
慌てたようにハンカチで、頬に伝う涙を拭われる。
どうして、こんなところで泣いてしまったのか分からない。でも、実感して、それを言葉に出してしまった途端に、昔からの涙腺の弱さが出てしまったのだ。
そんな相手に、そもそも対抗されるような立場ではない。
はじめから恋愛やら結婚に関して、リリアには勝ち目がないのだ。
――田舎貴族だけれど伯爵令嬢。しかし、リリアは〝半分人外〟である。
「私、結婚なんてしないのにね」
ぽつりとリリアの呟きが落とされた時、フィンがぎょっと目を向けた。
「この婚約も、ただの政治的な理由でされているだけで。……あと数ヶ月後には、みんな気付くんだわ。誰にも望まれていない子なんだって」
言葉を出したリリアは、一緒にぽろぽろと涙までこぼしてしまっていた。
かなり意外だったようだ。フィンだけでなく、コンラッドも大変驚いた様子で、半ば腰を上げる。
「ど、どうしたんですか? なぜ泣くんですか」
慌てたようにハンカチで、頬に伝う涙を拭われる。
どうして、こんなところで泣いてしまったのか分からない。でも、実感して、それを言葉に出してしまった途端に、昔からの涙腺の弱さが出てしまったのだ。