半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「このハンカチ、洗って返しますね」
「いえ、いいんですよ。ハンカチというのは、女性に貸すために用意してあるようなものですから」
ハンカチを手に取って、コンラッドがにこっと微笑みかけた。そう言いながら、軍服の胸ポケットにしまい直した。
うわー、そういう台詞をさらりと言えるなんて本物の紳士だわ……リリアは、本の中でちらりと見掛けたことがある一文を思い出した。
「コンラッド様って、もしかして結構女性の扱いに長けている、とか……?」
思わず疑問を口にしたら、彼が軽く苦笑した。
「年齢的なところもあるのかなと。僕も今年で、三十二歳ですからね」
「三十二!? えっ、もっと若いかと思ったわ」
「まぁ、よく言われます」
少し和やかな空気が戻る。
その時、様子を見ていたフィンが「はい!」と挙手した。
「どうしたの、フィン?」
「姫様。わたくし、さっき話を聞いていて少し思ったことがあるんですが、恋って人間界じゃないといけないんですか?」
言いながら、フィンがこてんっと首を傾げる。
「いえ、いいんですよ。ハンカチというのは、女性に貸すために用意してあるようなものですから」
ハンカチを手に取って、コンラッドがにこっと微笑みかけた。そう言いながら、軍服の胸ポケットにしまい直した。
うわー、そういう台詞をさらりと言えるなんて本物の紳士だわ……リリアは、本の中でちらりと見掛けたことがある一文を思い出した。
「コンラッド様って、もしかして結構女性の扱いに長けている、とか……?」
思わず疑問を口にしたら、彼が軽く苦笑した。
「年齢的なところもあるのかなと。僕も今年で、三十二歳ですからね」
「三十二!? えっ、もっと若いかと思ったわ」
「まぁ、よく言われます」
少し和やかな空気が戻る。
その時、様子を見ていたフィンが「はい!」と挙手した。
「どうしたの、フィン?」
「姫様。わたくし、さっき話を聞いていて少し思ったことがあるんですが、恋って人間界じゃないといけないんですか?」
言いながら、フィンがこてんっと首を傾げる。