半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
だって婚約者だから
それから二週間、リリアは王都へ行かなかった。
学院で選択していた残りの分の授業日程は、ついでに取っておこうかな、と思っていた資格の科目。父ツヴァイツァーも、領地の外に出掛ける社交もなくて――。
ただただ屋敷でゆっくりと過ごした。
「珍しいですよねー。姫様が、今度は無断欠席ですか」
二週間と一日目、アサギが昼食後のティータイムで言った。
リリアは、ちらりと考えてから、なんでもない風にティーカップを口元へと運んだ。フィンには秘密にしておいてとお願いし、家の誰にも教えていない。
「なんか、考えるのも疲れちゃって」
最後に学院へ出た時にあった、公爵令嬢アグスティーナの件。そのあと、らしくない乙女ちっくな赤面を晒してしまった一件……。
あのパニックの一件については、間を置けば、みんなの記憶から薄れてくれるだろう。
ただ、婚約うんぬんの件だ。それについて指を向けられ、噂され……それも含めて、令嬢達にまた何か色々と言われるんだろうなと思ったら、ちょっと精神的な回復時間が欲しくなったのだ。
学院で選択していた残りの分の授業日程は、ついでに取っておこうかな、と思っていた資格の科目。父ツヴァイツァーも、領地の外に出掛ける社交もなくて――。
ただただ屋敷でゆっくりと過ごした。
「珍しいですよねー。姫様が、今度は無断欠席ですか」
二週間と一日目、アサギが昼食後のティータイムで言った。
リリアは、ちらりと考えてから、なんでもない風にティーカップを口元へと運んだ。フィンには秘密にしておいてとお願いし、家の誰にも教えていない。
「なんか、考えるのも疲れちゃって」
最後に学院へ出た時にあった、公爵令嬢アグスティーナの件。そのあと、らしくない乙女ちっくな赤面を晒してしまった一件……。
あのパニックの一件については、間を置けば、みんなの記憶から薄れてくれるだろう。
ただ、婚約うんぬんの件だ。それについて指を向けられ、噂され……それも含めて、令嬢達にまた何か色々と言われるんだろうなと思ったら、ちょっと精神的な回復時間が欲しくなったのだ。