半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
時々やってきては、数日を過ごしてくれる母との思い出を夢に見た。
『リリア、私の可愛い娘。どうか父を頼むぞ』
はい、母様、とリリアは任せてと笑顔で答える。ぎゅっとしたら、母も、妖怪国に連れて帰りたいくらい可愛いと抱きしめ返してくれた。
でも、父を思ってそれをしないでいることも理解していた。
『ずっと一緒にいられないの?』
『私の妖力は、この世界の動植物に影響を与えるくらいに、強い。リリア、この世界は、我が身にとっては、とても脆いほどにか弱いのだよ』
数日の滞在で、父と母が過ごしている時間も大好きだった。暇になってじゃれれば、母が大きな九本もある尻尾で遊んでくれるのも好きだ。
外では怖い顔をしている母も、家ではとても優しく微笑んでいる印象しかなかったから。
――不意に、魔力を感知した。
リリアは、途端に夢から覚めて、ハッと反射的に飛び起きた。
警戒反応で、咄嗟にベッドから降りて身構えた。ぶわっと強風が巻き起こり、部屋に強い魔法陣の光が上がった。
『リリア、私の可愛い娘。どうか父を頼むぞ』
はい、母様、とリリアは任せてと笑顔で答える。ぎゅっとしたら、母も、妖怪国に連れて帰りたいくらい可愛いと抱きしめ返してくれた。
でも、父を思ってそれをしないでいることも理解していた。
『ずっと一緒にいられないの?』
『私の妖力は、この世界の動植物に影響を与えるくらいに、強い。リリア、この世界は、我が身にとっては、とても脆いほどにか弱いのだよ』
数日の滞在で、父と母が過ごしている時間も大好きだった。暇になってじゃれれば、母が大きな九本もある尻尾で遊んでくれるのも好きだ。
外では怖い顔をしている母も、家ではとても優しく微笑んでいる印象しかなかったから。
――不意に、魔力を感知した。
リリアは、途端に夢から覚めて、ハッと反射的に飛び起きた。
警戒反応で、咄嗟にベッドから降りて身構えた。ぶわっと強風が巻き起こり、部屋に強い魔法陣の光が上がった。