半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
その覚えがある気配に、嘘でしょと金色の目を見開いた。しかし、そう思っている間にも魔法が展開されて、完了する。
光と風がやんだ時、そこに立っていたのはサイラスだった。
「ちょっ、乙女の部屋に、直で移動魔法してくる馬鹿がいる!?」
訪問なら、屋敷の正面玄関からきちんと入ってきなさいよ。
リリアは、当然みたいにマントを手で払ったサイラスを見て、唖然とした。今日も仕事か公務でも入っていたのだろう。きちんとした正装だ。
彼が、声で気付いたというように目を向けてくる。わなわなと震えているリリアの、上から下までじっくり見た。
「随分軽装だな」
「休んでいたんだから、当たり前でしょっ」
いつも令嬢としてガッツリ着込んでいられない。これは普段着である。
すると、ツカツカとサイラスが向かってきた。リリアはビクッとして、咄嗟にあとずさりした。
だが、すぐに目の前まで詰められてしまった。
「なんで来ないんだ」
正面から、ジロリと見下ろしてサイラスが言った。
光と風がやんだ時、そこに立っていたのはサイラスだった。
「ちょっ、乙女の部屋に、直で移動魔法してくる馬鹿がいる!?」
訪問なら、屋敷の正面玄関からきちんと入ってきなさいよ。
リリアは、当然みたいにマントを手で払ったサイラスを見て、唖然とした。今日も仕事か公務でも入っていたのだろう。きちんとした正装だ。
彼が、声で気付いたというように目を向けてくる。わなわなと震えているリリアの、上から下までじっくり見た。
「随分軽装だな」
「休んでいたんだから、当たり前でしょっ」
いつも令嬢としてガッツリ着込んでいられない。これは普段着である。
すると、ツカツカとサイラスが向かってきた。リリアはビクッとして、咄嗟にあとずさりした。
だが、すぐに目の前まで詰められてしまった。
「なんで来ないんだ」
正面から、ジロリと見下ろしてサイラスが言った。