半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
学院のことだろう。そういえば何個かあったスケジュールの授業は、彼と重なっていた。
「だから、休んでた、って言ったじゃない」
答えながら、リリアは後ろめたさで視線をそらした。
「……少し疲れてて、飛行とか億劫だったし」
あの公爵令嬢のことだけでなく、サイラスとまた色々と言葉で応酬し合うと考えたら、やる気が出てこなかったというのも本音だった。
なんか、そんな気分じゃなかったのだ。
「執事の狐にでも、運んできてもらえばよかっただろう。それとも、俺と口喧嘩するのも嫌だったのか?」
図星に近いことを言われて、ぎくりとする。
顔をそらしているリリアの耳が、緊張でピンッと立つ。ふうん、とサイラスが森色の目を細めた。
「俺と、話すのも興味がなくなった、と?」
「は、はぁ? 私、そもそもあんたに興味なんて持ってないんだけど。ただ、喧嘩をする体力とかなかったの。そもそも私達、昔っから話すような仲でもないでしょ」
「おい、待て」
「待ちませんっ」
リリアはくるりと踵を返すと、そのまま部屋を出た。後ろからサイラスが追ってくる。
その時、一階へと続く階段で、リリアは、二階へと上がってくるツヴァイツァーとアサギと、ばったり会った。
「だから、休んでた、って言ったじゃない」
答えながら、リリアは後ろめたさで視線をそらした。
「……少し疲れてて、飛行とか億劫だったし」
あの公爵令嬢のことだけでなく、サイラスとまた色々と言葉で応酬し合うと考えたら、やる気が出てこなかったというのも本音だった。
なんか、そんな気分じゃなかったのだ。
「執事の狐にでも、運んできてもらえばよかっただろう。それとも、俺と口喧嘩するのも嫌だったのか?」
図星に近いことを言われて、ぎくりとする。
顔をそらしているリリアの耳が、緊張でピンッと立つ。ふうん、とサイラスが森色の目を細めた。
「俺と、話すのも興味がなくなった、と?」
「は、はぁ? 私、そもそもあんたに興味なんて持ってないんだけど。ただ、喧嘩をする体力とかなかったの。そもそも私達、昔っから話すような仲でもないでしょ」
「おい、待て」
「待ちませんっ」
リリアはくるりと踵を返すと、そのまま部屋を出た。後ろからサイラスが追ってくる。
その時、一階へと続く階段で、リリアは、二階へと上がってくるツヴァイツァーとアサギと、ばったり会った。