半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「普段から男女としての意識もなく、勉学でも魔法でも競い合っている仲だったから、配慮に気付くのが遅れた。唐突に淑女の部屋に移動魔法を展開したのも、悪かったと思っている」
重ねて詫びられたツヴァイツァーが、もうわけがわらんぞと口をパクパクする。
まるで本当のことでも述べるみたいに、つらつらと誠実な言葉を並び立てるサイラスに、リリアも唖然としていた。
本心でもないのに、よくもまぁぬけぬけと、と思った。
相性最悪の喧嘩仲を、競い合っている仲と言われれば、確かにと思うところもある。小さく口笛を吹いたサアギだけでなく、使用人達も何も言えないようだった。
場を見事収めたサイラスの話術には、さすが王子というべきか、既に魔法部隊をみているトップの『最強の魔法使い』でもあるべきか……と舌を巻いた。
「喧嘩の会話ではなく、少しリリアと話しがしたいんだ。ただ、それだけだ」
サイラスが、そう話をしめた。
そう述べた言葉は、どこか真摯だった。一体どういうことだろうかと、リリアか気になった時だった。
呆然としていたツヴァイツァーが、戸惑いながらもゆっくりと手を動かした。
「えぇと……どうぞ?」
彼は娘との話について、仕草を交えてそう許可を答えた。
重ねて詫びられたツヴァイツァーが、もうわけがわらんぞと口をパクパクする。
まるで本当のことでも述べるみたいに、つらつらと誠実な言葉を並び立てるサイラスに、リリアも唖然としていた。
本心でもないのに、よくもまぁぬけぬけと、と思った。
相性最悪の喧嘩仲を、競い合っている仲と言われれば、確かにと思うところもある。小さく口笛を吹いたサアギだけでなく、使用人達も何も言えないようだった。
場を見事収めたサイラスの話術には、さすが王子というべきか、既に魔法部隊をみているトップの『最強の魔法使い』でもあるべきか……と舌を巻いた。
「喧嘩の会話ではなく、少しリリアと話しがしたいんだ。ただ、それだけだ」
サイラスが、そう話をしめた。
そう述べた言葉は、どこか真摯だった。一体どういうことだろうかと、リリアか気になった時だった。
呆然としていたツヴァイツァーが、戸惑いながらもゆっくりと手を動かした。
「えぇと……どうぞ?」
彼は娘との話について、仕草を交えてそう許可を答えた。