半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「お前は、俺と話しをするのも関心がなくなったのか?」
「はぁ?」
唐突にそんなことを訊かれて、リリアは訝った。
まじまじと見てみれば、言葉を考えているようなサイラスの横顔があった。相変わらず、無駄に端整な顔立ちをした男である。
十五歳にしては大人びているなと思ったところで、そういえば、自分より先に十六歳になるんだったと思い出した。昨年も、秋に大きく誕生日が祝われて、リリアも婚約者として渋々、父と一緒に出席したのだ。
「なんでそんなことを訊くのよ?」
リリアは、ようやく質問に答えた。
するとサイラスが、やはりこちらを見ないまま歯切れ悪く言う。
「無関心に、なられたのかと。……そうすれば、おのずと話すことだってなくなるだろ」
「気が向かないってこと? あのね、らしくない沈黙をされると、そわそわするの。気にもならないんだったら、私はそんなこと悩んでないからっ」
実のところ、先程言葉のやりとりが止まっていた間、もうとにかく落ち着かないでいた。
「はぁ?」
唐突にそんなことを訊かれて、リリアは訝った。
まじまじと見てみれば、言葉を考えているようなサイラスの横顔があった。相変わらず、無駄に端整な顔立ちをした男である。
十五歳にしては大人びているなと思ったところで、そういえば、自分より先に十六歳になるんだったと思い出した。昨年も、秋に大きく誕生日が祝われて、リリアも婚約者として渋々、父と一緒に出席したのだ。
「なんでそんなことを訊くのよ?」
リリアは、ようやく質問に答えた。
するとサイラスが、やはりこちらを見ないまま歯切れ悪く言う。
「無関心に、なられたのかと。……そうすれば、おのずと話すことだってなくなるだろ」
「気が向かないってこと? あのね、らしくない沈黙をされると、そわそわするの。気にもならないんだったら、私はそんなこと悩んでないからっ」
実のところ、先程言葉のやりとりが止まっていた間、もうとにかく落ち着かないでいた。