半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
リリアは、顔の下を手で押さえてよそを見ている彼を前に、そう思った。また何かしら考えているようだが、今のサイラスのことは予想が付かない。
でも、この気兼ねなく話せる感じ、なんかいいなぁ。
リリアは知らず知らず、サイラスの横顔をしげしげと眺めていた。そうしていると、彼が落ち着かない様子で、不意にガバリと立ち上がった。
「何、帰るの?」
ようやくかと思って、リリアは座り込んだまま尋ねた。
サイラスが、ちらりと肩ごしにこちらを見つめ返してくる。日差しの逆行で若干見えづらいが、なんか頬がちょっと赤いような――。
「帰って欲しくないというのなら、いるが?」
は……?
リリアは、考えていたことも頭の中から飛んだ。
自分は、彼に帰るのかと聞いた。それは、帰らないで、という風なニュアンスにも変換できることを、わざわざ指摘する形でサイラスは言い返してきたのか。
くそっ、台詞の揚げ足を取られた感じか!
瞬間、リリアは負けず嫌いを爆発させて放電していた。
「んなわけないでしょ――――っ!?」
やっぱりこいつは、嫌な王子である。
そんな思いが込められた特大級の雷撃が落ちる中、サイラスがひょいとよけ、移動魔法を展開して去って行った。
でも、この気兼ねなく話せる感じ、なんかいいなぁ。
リリアは知らず知らず、サイラスの横顔をしげしげと眺めていた。そうしていると、彼が落ち着かない様子で、不意にガバリと立ち上がった。
「何、帰るの?」
ようやくかと思って、リリアは座り込んだまま尋ねた。
サイラスが、ちらりと肩ごしにこちらを見つめ返してくる。日差しの逆行で若干見えづらいが、なんか頬がちょっと赤いような――。
「帰って欲しくないというのなら、いるが?」
は……?
リリアは、考えていたことも頭の中から飛んだ。
自分は、彼に帰るのかと聞いた。それは、帰らないで、という風なニュアンスにも変換できることを、わざわざ指摘する形でサイラスは言い返してきたのか。
くそっ、台詞の揚げ足を取られた感じか!
瞬間、リリアは負けず嫌いを爆発させて放電していた。
「んなわけないでしょ――――っ!?」
やっぱりこいつは、嫌な王子である。
そんな思いが込められた特大級の雷撃が落ちる中、サイラスがひょいとよけ、移動魔法を展開して去って行った。