半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
リリアは、今だけの婚約者で
その後日から、リリアは学院通いを再開した。
もちろん、サイラスに負けてなどやるものか、という思いである。
彼がわざわざ家に来たのも、実のところ、やはり婚約者としての立場から仕方なく――そして『休んだからまた見舞いに来てやったぞ』と、上から目線で言いたかったこともあったのでは?とあとで思い至った。
サイラスなら、やりかねない。
というわけでリリアは、遅れた分の勉強も空き時間にしっかりやった。あと数ヶ月の授業に関しては、新規で学ぶのは少ないので助かる。
父は、サイラスの訪問があってからしばらく、なんだか様子がおかしかった。使用人達は揃って生温かい目だし、それをアサギに尋ねても教えてくれない。
「また魔法で相殺されたって愚痴ったのに、なんで生温かい目なの?」
学院へくることを再開して、八日目。
その間に二回、サイラスと遭遇して相変わらずのように衝突した。数少ない父の出席した社交の場でも、またアサギの同伴を言われて……。
でも、あの時はいつもと違っていた。
もちろん、サイラスに負けてなどやるものか、という思いである。
彼がわざわざ家に来たのも、実のところ、やはり婚約者としての立場から仕方なく――そして『休んだからまた見舞いに来てやったぞ』と、上から目線で言いたかったこともあったのでは?とあとで思い至った。
サイラスなら、やりかねない。
というわけでリリアは、遅れた分の勉強も空き時間にしっかりやった。あと数ヶ月の授業に関しては、新規で学ぶのは少ないので助かる。
父は、サイラスの訪問があってからしばらく、なんだか様子がおかしかった。使用人達は揃って生温かい目だし、それをアサギに尋ねても教えてくれない。
「また魔法で相殺されたって愚痴ったのに、なんで生温かい目なの?」
学院へくることを再開して、八日目。
その間に二回、サイラスと遭遇して相変わらずのように衝突した。数少ない父の出席した社交の場でも、またアサギの同伴を言われて……。
でも、あの時はいつもと違っていた。