半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
リリアは、ふうんと少し考える。
「それ、何番棟?」
「三番棟のところです。教授室の前に置く予定だったんですが、集めるのもこれからなので、多分、もう間に合わないかなって」
言いながら、彼が思案気な眼差しを図書館の方へ向ける。
集める作業を思ったのか、眼鏡の方が一層悩み込んだ顔をした。
「じゃあ、私がついでに持って行ってあげるわよ」
その提案が出された瞬間、二人の少年が揃って「え」とリリアを見た。
しばし間があった。待っても返事がくる様子がない。時間がないと言っていたのに何を固まっているのだろうと、リリアはチラリと眉を寄せる。
「だから、私がその箱を飛んで持って行くわよ」
「え、あの、伯爵令嬢でもある、あなたが……?」
「さっきからどうしたの? ほら、三人でやった方が、早く集められるでしょ」
「えっ、あの、しかしッ」
「何よ眼鏡君、私だって図書館は通い慣れてる。復習でも毎回使ってるし、配置はバッチリ頭に入ってる。高い位置にあるのは私が取ってあげるから、時間短縮にもなるでしょ」
ほらほら、と言いながら、リリアは浮いたまま二人の背を図書館へと向けて、ぐいぐい押した。
「それ、何番棟?」
「三番棟のところです。教授室の前に置く予定だったんですが、集めるのもこれからなので、多分、もう間に合わないかなって」
言いながら、彼が思案気な眼差しを図書館の方へ向ける。
集める作業を思ったのか、眼鏡の方が一層悩み込んだ顔をした。
「じゃあ、私がついでに持って行ってあげるわよ」
その提案が出された瞬間、二人の少年が揃って「え」とリリアを見た。
しばし間があった。待っても返事がくる様子がない。時間がないと言っていたのに何を固まっているのだろうと、リリアはチラリと眉を寄せる。
「だから、私がその箱を飛んで持って行くわよ」
「え、あの、伯爵令嬢でもある、あなたが……?」
「さっきからどうしたの? ほら、三人でやった方が、早く集められるでしょ」
「えっ、あの、しかしッ」
「何よ眼鏡君、私だって図書館は通い慣れてる。復習でも毎回使ってるし、配置はバッチリ頭に入ってる。高い位置にあるのは私が取ってあげるから、時間短縮にもなるでしょ」
ほらほら、と言いながら、リリアは浮いたまま二人の背を図書館へと向けて、ぐいぐい押した。