半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
三人でとりかかったら、必要な本もあっという間に一つのダンボール箱に収まった。
授業で使う分の資料というから、何十冊あるんだろうと思ったら、予想していたよりも少なめだった。どうやら一般教養の方らしいけれど。
「…………確かに、飛ぶ、ってめちゃくちゃ便利」
「…………まさか本当に、伯爵令嬢で第二王子殿下の婚約者という立ち場の人が、がんがん手伝ってくるとは、僕も思わなかったよ」
眼鏡をかけ直す仕草で口元を隠して、背が低い方の少年もそう言った。
ふわふわ浮いたリリアの存在は、高い本棚の上から見えていた。作業が終わるまで、館内にいた令息令嬢達がポカンとして見てもいた。
「下にズボン……」
「手際がこなれている感が、すごい……」
「レイド伯爵が、自分でも畑仕事やるって本当なのかな」
天井を背景にしたリリアの姿が見えなくなった途端に、交わされる声が増した。
だが当人のリリアは、タイトルが記されたメモ用紙と本に視線を往復して、きちんと全部揃っているのか確認していた。
授業で使う分の資料というから、何十冊あるんだろうと思ったら、予想していたよりも少なめだった。どうやら一般教養の方らしいけれど。
「…………確かに、飛ぶ、ってめちゃくちゃ便利」
「…………まさか本当に、伯爵令嬢で第二王子殿下の婚約者という立ち場の人が、がんがん手伝ってくるとは、僕も思わなかったよ」
眼鏡をかけ直す仕草で口元を隠して、背が低い方の少年もそう言った。
ふわふわ浮いたリリアの存在は、高い本棚の上から見えていた。作業が終わるまで、館内にいた令息令嬢達がポカンとして見てもいた。
「下にズボン……」
「手際がこなれている感が、すごい……」
「レイド伯爵が、自分でも畑仕事やるって本当なのかな」
天井を背景にしたリリアの姿が見えなくなった途端に、交わされる声が増した。
だが当人のリリアは、タイトルが記されたメモ用紙と本に視線を往復して、きちんと全部揃っているのか確認していた。