半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「この箱、持って行っていい?」
よしとダンボール箱にふたをしたところで、くるりと振り返って確認した。
リリアの声に、二人の少年がハタとした。すぐ背の高い少年が軽く頭を下げて、眼鏡の少年もあとに続く。
「手伝ってくれて、ありがとうございました、先輩」
目上の身分らしく扱うたび、ジロリと睨まれていたから学生っぽい感じで言った。
「よろしい」
リリアは、ふふんっと胸を張って答えた。
チラリと本人の反応を窺った二人の少年が、ほっとした様子で頭の位置を戻す。
そこでようやく、リリアは見える範囲内にいる少年少女達から、見られているのに気付いた。知らぬふりをして、視線は向けないようにした。
けれど隠してもいない狐の耳は、ぴくぴくっとそちらに反応している。
――第二王子の婚約者の、あやかし令嬢。
とくに、前者の方があって見られているのだろう。
リリアは相応しくない。先日の公爵令嬢アグスティーナを支持している生徒達なのか、ひそひそとそう嫌な感じで陰口もされていた。
よしとダンボール箱にふたをしたところで、くるりと振り返って確認した。
リリアの声に、二人の少年がハタとした。すぐ背の高い少年が軽く頭を下げて、眼鏡の少年もあとに続く。
「手伝ってくれて、ありがとうございました、先輩」
目上の身分らしく扱うたび、ジロリと睨まれていたから学生っぽい感じで言った。
「よろしい」
リリアは、ふふんっと胸を張って答えた。
チラリと本人の反応を窺った二人の少年が、ほっとした様子で頭の位置を戻す。
そこでようやく、リリアは見える範囲内にいる少年少女達から、見られているのに気付いた。知らぬふりをして、視線は向けないようにした。
けれど隠してもいない狐の耳は、ぴくぴくっとそちらに反応している。
――第二王子の婚約者の、あやかし令嬢。
とくに、前者の方があって見られているのだろう。
リリアは相応しくない。先日の公爵令嬢アグスティーナを支持している生徒達なのか、ひそひそとそう嫌な感じで陰口もされていた。