半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「あ、俺の呟きすら聞こえていなかったんですね……。殿下、結構考えてくださっていると思うんですけど、何かあるんですか?」
「別に、何もないわよ。それに『考えてる』だなんて大袈裟よ」
婚約破棄の予定であるのは、他には知らされていない。リリアはぎこちなく笑って。思うところを言った。
「さっきの『仲がいい』という感想も、そもそもアレで……今期の入学組みにも『また騒ぎ起こしてる』って言われるくらいじゃないの」
彼らが初っ端、自分を見て例の婚約者だと気付いたのが、いい証拠だ。
悪い方の噂があって、よく知られているのだ。リリアがそう思って伝えると、眼鏡の少年の方が「おや?」と小首を傾げた。
「あの、一つお聞きしてもいいですか?」
「何?」
「殿下は以前、魔力酔いの件もあって学院に関しても、特別待遇授業になるかもしれないと言われていたのですが、それはご存知でない?」
「特別待遇?」
何ソレ、と、質問が唐突でリリアは首を傾げる。
眼鏡の少年が、その頭の上でぴこっとした狐耳をつられて見た。気付いた背の高い少年が、おいおいと彼に呆れてリリアに教える。
「別に、何もないわよ。それに『考えてる』だなんて大袈裟よ」
婚約破棄の予定であるのは、他には知らされていない。リリアはぎこちなく笑って。思うところを言った。
「さっきの『仲がいい』という感想も、そもそもアレで……今期の入学組みにも『また騒ぎ起こしてる』って言われるくらいじゃないの」
彼らが初っ端、自分を見て例の婚約者だと気付いたのが、いい証拠だ。
悪い方の噂があって、よく知られているのだ。リリアがそう思って伝えると、眼鏡の少年の方が「おや?」と小首を傾げた。
「あの、一つお聞きしてもいいですか?」
「何?」
「殿下は以前、魔力酔いの件もあって学院に関しても、特別待遇授業になるかもしれないと言われていたのですが、それはご存知でない?」
「特別待遇?」
何ソレ、と、質問が唐突でリリアは首を傾げる。
眼鏡の少年が、その頭の上でぴこっとした狐耳をつられて見た。気付いた背の高い少年が、おいおいと彼に呆れてリリアに教える。