半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
アグスティーナのその行動は、サイラスと接触する機会を増やすためだろう。一般教養外の女生徒の受講も、かなり増えたのだとは、リリアも入学した頃に聞いていた。
ただ、専門科目に関しては学びも楽ではない。やっぱり無理と、科目を早々に外してしまうという、教授らが困った事態も続出している。
そんなことを思い返していると、眼鏡ではない方の少年が「あー」とぎこちなく声を出した。
「確かに騒いでいる令嬢達もいるようですが、俺としては、まぁ、あなたが婚約者で良かったかな……て思いますけどね」
「え?」
リリアは、思わず訊き返してしまった。まさかの感想だった。
すると眼鏡の少年も、おずおず手を上げて「実は……」と述べてきた。
「僕も、その派です」
「えっ、あなたも? どうしてそう思うの」
「だって殿下は、すごい魔法使いじゃないですか。普通の令嬢だと、理解が難しいところもあるかもしれないけど、でも、あなたは不思議な力を持っていて、分かる部分だってあるんじゃないかなって思ったんです」
「それに、あなたの方が、よくも悪くも害がないかなって」
ふう、と背の高い少年が溜息をもらす。
ちょっと待て。害がないって、なんだ。リリアは途端に、『理解』の部分を考えていたことも忘れて言い返した。
ただ、専門科目に関しては学びも楽ではない。やっぱり無理と、科目を早々に外してしまうという、教授らが困った事態も続出している。
そんなことを思い返していると、眼鏡ではない方の少年が「あー」とぎこちなく声を出した。
「確かに騒いでいる令嬢達もいるようですが、俺としては、まぁ、あなたが婚約者で良かったかな……て思いますけどね」
「え?」
リリアは、思わず訊き返してしまった。まさかの感想だった。
すると眼鏡の少年も、おずおず手を上げて「実は……」と述べてきた。
「僕も、その派です」
「えっ、あなたも? どうしてそう思うの」
「だって殿下は、すごい魔法使いじゃないですか。普通の令嬢だと、理解が難しいところもあるかもしれないけど、でも、あなたは不思議な力を持っていて、分かる部分だってあるんじゃないかなって思ったんです」
「それに、あなたの方が、よくも悪くも害がないかなって」
ふう、と背の高い少年が溜息をもらす。
ちょっと待て。害がないって、なんだ。リリアは途端に、『理解』の部分を考えていたことも忘れて言い返した。