半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「ちょっとノッポ君、それどういう意味?」
いい話かと思ったら、何もしない人だから、お飾りでちょうどいいってことなの?
確かに、第二王子の婚約者だからという理由で偉ぶったり、困らせたりしたことはない。それと同時に、婚約者として相手を立てるような役にも、立っていない。
――名ばかりで、相応しくない。
リリアは、ふと思い出して腹のあたりがムカムカした。
いるかいないかも分からない婚約者であれば、まだマシだったろう。自分は学院でもサイラスとやり合い、令嬢と言い合って、日頃から騒がせてもいる。
そう考えると、害がないとも言い切れない。この前だって、強く放電する寸前、コンラッドの存在に助けられたばかりだ。
彼らだって、さぞ嫌だろうに――。
そんなことをリリアが考えていると、背の高い彼が顔を押さえて呻いた。
「やっぱり『ノッポ君』だった……」
その呟きを聞いた眼鏡の少年が、彼の肩にぽんっとする。
リリアは訝った。
「何?」
「いえ、なんでもないです」
背の高い彼は、気を取り直してリリアに答えた。
いい話かと思ったら、何もしない人だから、お飾りでちょうどいいってことなの?
確かに、第二王子の婚約者だからという理由で偉ぶったり、困らせたりしたことはない。それと同時に、婚約者として相手を立てるような役にも、立っていない。
――名ばかりで、相応しくない。
リリアは、ふと思い出して腹のあたりがムカムカした。
いるかいないかも分からない婚約者であれば、まだマシだったろう。自分は学院でもサイラスとやり合い、令嬢と言い合って、日頃から騒がせてもいる。
そう考えると、害がないとも言い切れない。この前だって、強く放電する寸前、コンラッドの存在に助けられたばかりだ。
彼らだって、さぞ嫌だろうに――。
そんなことをリリアが考えていると、背の高い彼が顔を押さえて呻いた。
「やっぱり『ノッポ君』だった……」
その呟きを聞いた眼鏡の少年が、彼の肩にぽんっとする。
リリアは訝った。
「何?」
「いえ、なんでもないです」
背の高い彼は、気を取り直してリリアに答えた。