半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「じゃ、ひとまず行くわ」
ダンボール箱を持って、ふわりと浮いたところで、ふとリリアは思い出した。
「本の返却のこと、ありがとう。また何か借りにくるわ」
「はい、楽しみにお待ちしてます」
背の高い方の少年が、やっぱり少し物珍しそうにリリアを見上げて、でもまぁいいかという感じですぐに笑って答えた。
すると眼鏡の少年も、パッと笑顔で言ってくる。
「恋愛小説で『騎士系』のやつ、何か探しておきますね!」
その親切心たっぷりの台詞を聞いた途端、リリアは「ぶっ」と妙な息を吐いてしまった。
「ちょ、なんでそれを知ってるのよ!」
「え? だって、お好きなんでしょう? 一部の令嬢達からも『実は、私達も好きなんです』とご要望がありまして。一般書コーナーの一部に、これから置かれることになったんですよ」
「えっ、そうなの!?」
「はい。早ければ来週、その第一弾の荷物が大量に届く予定です」
恋愛小説が好きで、好みのタイプの物語とヒーロー像が知られているのは、恥ずかしい。でも……。
王都の新作を読めるのは、正直いうと悪くない。
「じゃあ、よろしく」
リリアは恥じらいつつもそう答えると、ダンボール箱を抱えたまま館内を飛行で移動し、図書館を出た。
ダンボール箱を持って、ふわりと浮いたところで、ふとリリアは思い出した。
「本の返却のこと、ありがとう。また何か借りにくるわ」
「はい、楽しみにお待ちしてます」
背の高い方の少年が、やっぱり少し物珍しそうにリリアを見上げて、でもまぁいいかという感じですぐに笑って答えた。
すると眼鏡の少年も、パッと笑顔で言ってくる。
「恋愛小説で『騎士系』のやつ、何か探しておきますね!」
その親切心たっぷりの台詞を聞いた途端、リリアは「ぶっ」と妙な息を吐いてしまった。
「ちょ、なんでそれを知ってるのよ!」
「え? だって、お好きなんでしょう? 一部の令嬢達からも『実は、私達も好きなんです』とご要望がありまして。一般書コーナーの一部に、これから置かれることになったんですよ」
「えっ、そうなの!?」
「はい。早ければ来週、その第一弾の荷物が大量に届く予定です」
恋愛小説が好きで、好みのタイプの物語とヒーロー像が知られているのは、恥ずかしい。でも……。
王都の新作を読めるのは、正直いうと悪くない。
「じゃあ、よろしく」
リリアは恥じらいつつもそう答えると、ダンボール箱を抱えたまま館内を飛行で移動し、図書館を出た。