半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「婚約者であるあなたが〝人外〟のせいで、あのお方は、余計な説得にも走り回っていらっしゃるのよ。お可哀そうに」
まるで自分に言い聞かせるみたいに、自信を貼り付かせてアグスティーナが言った。
「だから、この歳になっても、リリア様は彼の妃として、本格教育を受けるため王宮にお呼ばれすることもないんだわ」
それは、リリアが『偽りの婚約者』であるせいだ。
リリアは、自分の貴族作法がもともとちゃんとしており、基礎教養も高いことに気付けないでいた。混乱で頭の中もぐるぐるしていた。
忙しそうにしていたサイラス。
それは、私のせいなの? 私が彼を多忙にさせ、ずっと困らせていた……?
「あなた、本当に婚約者として居続けるつもり?」
「私は――」
「あなたは半妖なのよ。それで人と、ましてや王族に嫁入りできるとでも?」
アグスティーナが、厳しい口調でたたみかけてきた。
言葉を遮られた途端、これまで覚えていた嫌悪感が何倍にも増した。そして追ってかけられたその言葉は、リリアの胸にとくに深く突き刺さった。
まるで自分に言い聞かせるみたいに、自信を貼り付かせてアグスティーナが言った。
「だから、この歳になっても、リリア様は彼の妃として、本格教育を受けるため王宮にお呼ばれすることもないんだわ」
それは、リリアが『偽りの婚約者』であるせいだ。
リリアは、自分の貴族作法がもともとちゃんとしており、基礎教養も高いことに気付けないでいた。混乱で頭の中もぐるぐるしていた。
忙しそうにしていたサイラス。
それは、私のせいなの? 私が彼を多忙にさせ、ずっと困らせていた……?
「あなた、本当に婚約者として居続けるつもり?」
「私は――」
「あなたは半妖なのよ。それで人と、ましてや王族に嫁入りできるとでも?」
アグスティーナが、厳しい口調でたたみかけてきた。
言葉を遮られた途端、これまで覚えていた嫌悪感が何倍にも増した。そして追ってかけられたその言葉は、リリアの胸にとくに深く突き刺さった。