半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
まるで、たかが人間の王子なんてお呼びでない、と言わんばかりの言い方だった。
口から覗いたやや目立つ犬歯、プラチナブロンドの髪と同じ色の大きな狐の耳。その全てが、今のリリアを美しく見せていて、アグスティーナ達は気圧されて言葉を失ってしまう。
もう決めた、完全解消だ。
今後は、もう婚約者だのなんだのという言い分で、煩わされたり悩まされたくない。
リリアは、「あっ」と小さな戸惑いの声を上げたアグスティーナ達を振り返りもせず、一直線に空へと向かってその場から飛び出した。
ぐんぐん空の高いところを目指して飛行する。
あの日から続いていた婚約を、今、白紙にすべきだ。
今日、すぐにでも、絶縁状という手紙で婚約破棄の提案を送る。そう決めたリリアは、人の声も聞こえなくなった空の高いところで、向こうに見える王宮を見た。
婚約破棄について、父にお願いする? 陛下の許可を取る?
そんなの知ったことではない。それくらい、王子の彼がなんとかするだろう。
口から覗いたやや目立つ犬歯、プラチナブロンドの髪と同じ色の大きな狐の耳。その全てが、今のリリアを美しく見せていて、アグスティーナ達は気圧されて言葉を失ってしまう。
もう決めた、完全解消だ。
今後は、もう婚約者だのなんだのという言い分で、煩わされたり悩まされたくない。
リリアは、「あっ」と小さな戸惑いの声を上げたアグスティーナ達を振り返りもせず、一直線に空へと向かってその場から飛び出した。
ぐんぐん空の高いところを目指して飛行する。
あの日から続いていた婚約を、今、白紙にすべきだ。
今日、すぐにでも、絶縁状という手紙で婚約破棄の提案を送る。そう決めたリリアは、人の声も聞こえなくなった空の高いところで、向こうに見える王宮を見た。
婚約破棄について、父にお願いする? 陛下の許可を取る?
そんなの知ったことではない。それくらい、王子の彼がなんとかするだろう。