半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
その直後、当たり前に話しかけられていることに、リリアはハタと気付いた。思わず今の自分と、そしてサイラスを忙しなく見比べる。
「あの、私は今、令嬢どころか大人ですら悲鳴を上げる、大きな妖狐の姿をしているはずなんだけど……」
「それがなんだ?」
「えっ。いや、だって、あの、普通はもっとこう、他に何かあるんじゃないかと……」
サイラスは、言えば言うほど顔を顰めてくる。
リリアは途端に自信がなくなって、声もごにょごにょと小さくなった。ここは驚くか怯えるかドン引くか、それなりに少しくらい反応するところなのではないのか?
「しかも、よく私本人だと分かったわね……?」
「リリアはリリアだろ」
「へ?」
気のせいか、その言葉がすっと耳に入ってきて、なんだかとても身体が軽くなった。
少し前に感じた、胸に突き刺さったような何かの痛みも、サイラスの言葉で全部吹き飛んでリリアは忘れた。
「ハッ――じやなくって、そういえばなんで大量の人を連れてきてんの!?」
リリアは、令嬢どころか大人、と自分で口にしたことでを思い出した。
「あの、私は今、令嬢どころか大人ですら悲鳴を上げる、大きな妖狐の姿をしているはずなんだけど……」
「それがなんだ?」
「えっ。いや、だって、あの、普通はもっとこう、他に何かあるんじゃないかと……」
サイラスは、言えば言うほど顔を顰めてくる。
リリアは途端に自信がなくなって、声もごにょごにょと小さくなった。ここは驚くか怯えるかドン引くか、それなりに少しくらい反応するところなのではないのか?
「しかも、よく私本人だと分かったわね……?」
「リリアはリリアだろ」
「へ?」
気のせいか、その言葉がすっと耳に入ってきて、なんだかとても身体が軽くなった。
少し前に感じた、胸に突き刺さったような何かの痛みも、サイラスの言葉で全部吹き飛んでリリアは忘れた。
「ハッ――じやなくって、そういえばなんで大量の人を連れてきてんの!?」
リリアは、令嬢どころか大人、と自分で口にしたことでを思い出した。