半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「これで落ち着いていられるかっ。お前が泣いていたと、郵便の配達所から知らせもあって――目撃情報から、あの令嬢に何かを言われただろうことが推測された。それで、関係がありそうな全員を魔法で強制召喚して、二度とちょっかいを出すなと集めた場所を半壊させたうえで、こっちに連れて来たんだ!」
待って。こいつ、ほんとに何してんの?
リリアは、なんだか珍しいくらい感情的に言葉を吐き出しているサイラスを前に、呆気に取られた。つい、ポンッと人の姿に戻って落ち着かせにかかる。
「あの、ますますわけが分からなくなりそうだから、まずは深呼吸しましょう?」
その時、サイラスに手を両手で握られた。
びっくりしたリリアは、そのままずいっと顔を覗き込まれて首を竦める。
「俺を本気で止められるのはお前くらいで、お前を止められる魔法使いだって、俺だけだ」
「え? あ、うん、多分そうね。分かったから、少し落ち着いて」
その時、タヌマヌシがぶすっとした顔でリリア達を見た。ぶつぶつと愚痴るように独り言を口にする。
「一部の大妖怪なら、平気であの男は止められるんじゃないか?」
は~やれやれと、巨大な彼が頭をかく。
待って。こいつ、ほんとに何してんの?
リリアは、なんだか珍しいくらい感情的に言葉を吐き出しているサイラスを前に、呆気に取られた。つい、ポンッと人の姿に戻って落ち着かせにかかる。
「あの、ますますわけが分からなくなりそうだから、まずは深呼吸しましょう?」
その時、サイラスに手を両手で握られた。
びっくりしたリリアは、そのままずいっと顔を覗き込まれて首を竦める。
「俺を本気で止められるのはお前くらいで、お前を止められる魔法使いだって、俺だけだ」
「え? あ、うん、多分そうね。分かったから、少し落ち着いて」
その時、タヌマヌシがぶすっとした顔でリリア達を見た。ぶつぶつと愚痴るように独り言を口にする。
「一部の大妖怪なら、平気であの男は止められるんじゃないか?」
は~やれやれと、巨大な彼が頭をかく。