半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
忙しくしていたのも、全部この婚約を続行させるためだったの? それでずっと多忙でやっていたとか……真っすぐ好かれてない?
思えば、この温かい感じの穏やかな空気はなんだろう。
森の外には、アサギ達がいる。それなのに、まるで二人だけの世界みたいに、リリアもまた彼のことしか考えられないだなんて。
「……私のこと、嫌ってないの?」
ドキドキしすぎて、気付いたらリリアは、打ち明けてきたサイラスの視線にたえきれず、そんなとんでもない直球を自分から尋ねていた。
――なんだ、これ。
自分が言ったことなのに、リリアはまたしても体温が急上昇してしまった。
まるで小説の〝恋したヒロイン〟みたいじゃないか!
え、嘘、違うでしょ。まさか。そう思っているのに、サイラスを意識しまくって目を合わせていられなくなっていた。
「なんのために、俺が『最強の魔法使い』になったと思っているんだ」
不意に、そんなサイラスの声が聞こえて、リリアは顔を上げた。
心まで見透かすような森色の瞳とぶつかって、途端に視線をそらせなくなった。彼はリリアだけを、真っすぐ、そして深く見つめていた。
思えば、この温かい感じの穏やかな空気はなんだろう。
森の外には、アサギ達がいる。それなのに、まるで二人だけの世界みたいに、リリアもまた彼のことしか考えられないだなんて。
「……私のこと、嫌ってないの?」
ドキドキしすぎて、気付いたらリリアは、打ち明けてきたサイラスの視線にたえきれず、そんなとんでもない直球を自分から尋ねていた。
――なんだ、これ。
自分が言ったことなのに、リリアはまたしても体温が急上昇してしまった。
まるで小説の〝恋したヒロイン〟みたいじゃないか!
え、嘘、違うでしょ。まさか。そう思っているのに、サイラスを意識しまくって目を合わせていられなくなっていた。
「なんのために、俺が『最強の魔法使い』になったと思っているんだ」
不意に、そんなサイラスの声が聞こえて、リリアは顔を上げた。
心まで見透かすような森色の瞳とぶつかって、途端に視線をそらせなくなった。彼はリリアだけを、真っすぐ、そして深く見つめていた。