半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
ああ、そうか。勇気を出してくれているんだ。
こうして二人きりになってから、ずっと、サイラスは苦手なのに素直になろうとしてくれているのだ。
そう思ったら、先程のプロポーズの言葉にますます胸がトキメいてしまった。
「好きになってくれた人を、嫌いになるわけないじゃない……その、昔のことだって、もうとっくに許しているんだもの」
手紙で別れを書いた時、離れるのを悲しんだのもそうだ。
もじもじと切り出したリリアは、小説でも味わったことがない胸のドキドキに観念した。とても恥ずかしいけれど、今の彼に対する気持ちを伝える。
「……私も、好きよ」
でも、やっぱり恥ずかしいので、こっそり囁いた。
今は、これで勘弁してくれるらしい。サイラスが立ち上がったので、リリアはホッとした。これから、みんなと合流するのだろう、父にも説明しなければ――。
そう思っていると、サイラスが数歩進んだところで立ち止まった。
「何?」
振り返ったかと思ったら、ちょっと恥ずかしそうな顔をした彼が、何やら伝えるようにぎこちなく仕草で伝えてきた。
まるで、抱き上げる動きのような……と考えていたリリアは、サイラスの次の言葉で、推測が当たっていることに気付いた。
「お前、こういうの好きなんだろう?」
抱っこされるのが癖みたいになっていたこと、やっぱり知られていたんだ。
リリアは、そう察してぶわぁっと再び赤面した。
こうして二人きりになってから、ずっと、サイラスは苦手なのに素直になろうとしてくれているのだ。
そう思ったら、先程のプロポーズの言葉にますます胸がトキメいてしまった。
「好きになってくれた人を、嫌いになるわけないじゃない……その、昔のことだって、もうとっくに許しているんだもの」
手紙で別れを書いた時、離れるのを悲しんだのもそうだ。
もじもじと切り出したリリアは、小説でも味わったことがない胸のドキドキに観念した。とても恥ずかしいけれど、今の彼に対する気持ちを伝える。
「……私も、好きよ」
でも、やっぱり恥ずかしいので、こっそり囁いた。
今は、これで勘弁してくれるらしい。サイラスが立ち上がったので、リリアはホッとした。これから、みんなと合流するのだろう、父にも説明しなければ――。
そう思っていると、サイラスが数歩進んだところで立ち止まった。
「何?」
振り返ったかと思ったら、ちょっと恥ずかしそうな顔をした彼が、何やら伝えるようにぎこちなく仕草で伝えてきた。
まるで、抱き上げる動きのような……と考えていたリリアは、サイラスの次の言葉で、推測が当たっていることに気付いた。
「お前、こういうの好きなんだろう?」
抱っこされるのが癖みたいになっていたこと、やっぱり知られていたんだ。
リリアは、そう察してぶわぁっと再び赤面した。