半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
でも、それを分かったうえで、彼は子供だのなんだの言わずに、甘やかしてくれるみたいだ。
自分のことを好きであるという人に、そんな恋人みたいなことを提案されたら、今度は恥じらいというより、リリアは期待感でドキドキしてしまう。
「いいの……?」
おずおずと確認してみる。
するとサイラスが、一度目をそらして、少し赤くなった頬をぐいっとやった。それから覚悟でも決まったみたいに、目を戻してきて腕を広げてみせる。
「お、――おいで」
ぎこちなく、サイラスがそう言った。
彼が『おいで』と言うなんて、聞き慣れない台詞だ。本人も全く言われ慣れないようなぎこちなさが全開だったけれど、それでも早速試してみてくれたのが嬉しくて。
リリアは浮かぶと、そのまま飛んで、ふわりと彼の腕の中に収まった。
ゆっくりと体重をかけてみたけれど、彼の腕は意外と鍛えられてたくましく、しっかり乗ってもビクともしなかった。
「物語の騎士様より、こっちの方が好きかも」
父みたいにムキムキっとした感じではなく、引き締まって細いのに安心感がある。なんだか抱き上げられた心地も、自分にフィットしているように感じて、リリアは上機嫌になった。
サイラスが、顔の下半分を手で隠して、ゆっくりとそむけた。
「癖になりそうだ」
そう小さな声で言葉をもらした彼は、もう耳まで真っ赤になっていた。人にキスをしておいて、なんでそこで一番恥ずかしがるのかと、リリアは少しおかしくなって笑った。
今日は、一気に急がしくなりそうだ。
でも、きっとサイラスは一緒に頑張ってくれるだろう。リリアは、これからの素敵な予感で胸がいっぱいで、彼を更に赤面させ続ける可愛い笑顔を浮かべていた。
自分のことを好きであるという人に、そんな恋人みたいなことを提案されたら、今度は恥じらいというより、リリアは期待感でドキドキしてしまう。
「いいの……?」
おずおずと確認してみる。
するとサイラスが、一度目をそらして、少し赤くなった頬をぐいっとやった。それから覚悟でも決まったみたいに、目を戻してきて腕を広げてみせる。
「お、――おいで」
ぎこちなく、サイラスがそう言った。
彼が『おいで』と言うなんて、聞き慣れない台詞だ。本人も全く言われ慣れないようなぎこちなさが全開だったけれど、それでも早速試してみてくれたのが嬉しくて。
リリアは浮かぶと、そのまま飛んで、ふわりと彼の腕の中に収まった。
ゆっくりと体重をかけてみたけれど、彼の腕は意外と鍛えられてたくましく、しっかり乗ってもビクともしなかった。
「物語の騎士様より、こっちの方が好きかも」
父みたいにムキムキっとした感じではなく、引き締まって細いのに安心感がある。なんだか抱き上げられた心地も、自分にフィットしているように感じて、リリアは上機嫌になった。
サイラスが、顔の下半分を手で隠して、ゆっくりとそむけた。
「癖になりそうだ」
そう小さな声で言葉をもらした彼は、もう耳まで真っ赤になっていた。人にキスをしておいて、なんでそこで一番恥ずかしがるのかと、リリアは少しおかしくなって笑った。
今日は、一気に急がしくなりそうだ。
でも、きっとサイラスは一緒に頑張ってくれるだろう。リリアは、これからの素敵な予感で胸がいっぱいで、彼を更に赤面させ続ける可愛い笑顔を浮かべていた。