半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「実際の目的が別だとすれば、二の次になるんですよ」
手元から目を上げて、アサギはリリアへ答える。
「たとえば『半妖の伯爵令嬢』に、一番先に王族が接触したという事実が欲しいのではないか、とね。今のところ、あやかしの血を引き入れようと考える人族の貴族はいないですし」
「そうすると、友好関係だけでも、向こうにはメリットになったりするのか?」
ツヴァイツァーが、考えるように手を顎へやって尋ねた。
「子供同士であれば、警戒を持たれないと考えて、第二王子殿下を向けようとしている、とか」
「その可能性も、あっておかしくないでしょうね。姫様は、貴族内の友達作りもまだですから。そうだとしたら陛下は、仲良くするようにと殿下を言いくるめていそうですよねぇ」
「腹黒い! 私、絶対に仲良くなんかしないわよ!?」
想像して、リリアは獣耳の毛を少し逆立てた。腹の底で別のことを考えているような人間と、話せる気がしない。
「社交には、嘘も必要ですけどねぇ」
アサギは、封筒の口をしっかりと閉めつつ、リリアの様子を横目にニヤニヤと見て言った。
手元から目を上げて、アサギはリリアへ答える。
「たとえば『半妖の伯爵令嬢』に、一番先に王族が接触したという事実が欲しいのではないか、とね。今のところ、あやかしの血を引き入れようと考える人族の貴族はいないですし」
「そうすると、友好関係だけでも、向こうにはメリットになったりするのか?」
ツヴァイツァーが、考えるように手を顎へやって尋ねた。
「子供同士であれば、警戒を持たれないと考えて、第二王子殿下を向けようとしている、とか」
「その可能性も、あっておかしくないでしょうね。姫様は、貴族内の友達作りもまだですから。そうだとしたら陛下は、仲良くするようにと殿下を言いくるめていそうですよねぇ」
「腹黒い! 私、絶対に仲良くなんかしないわよ!?」
想像して、リリアは獣耳の毛を少し逆立てた。腹の底で別のことを考えているような人間と、話せる気がしない。
「社交には、嘘も必要ですけどねぇ」
アサギは、封筒の口をしっかりと閉めつつ、リリアの様子を横目にニヤニヤと見て言った。