半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「姫様は半分人間の血が流れていますが、俺が見る限り、今のところ妖狐と同じ成長過程を辿っています。幼いうちは妖力量が急激に増えるので、恐らくまた二、三ヶ月後には、放電期に入ると思います。中級から以下であれば、げっぷの時に軽く火が飛び出る程度で済むんですけど、姫様の場合は放電が半端ないですねぇ」
いやぁ、懐かしいなぁ、とアサギが目を細めてころころ笑った。目元が細くつり上がる表情をすると、黒狐の顔で笑んだ時と面影が重なる。
歯のチェックも済んだリリアは、そこでアサギを不思議そうに見上げた。
「放電期って、どのくらいで終わってくれるの? まだ続く?」
「数は次第に減りますが、十五歳くらいまでは続くと思います。姫様ほどの大物のあやかしとなると、恐らくは放電も威力が増していくことが推測されますので、発散の対策は考えておきます」
「分かった。アサギに任せるわ」
リリアは、こっくりと頷いてみせた。その頭にあるふわふわの狐耳も一緒に動いていて、使用人達が「かーわーいーい」という目を、主人と同じく向けていた。
いやぁ、懐かしいなぁ、とアサギが目を細めてころころ笑った。目元が細くつり上がる表情をすると、黒狐の顔で笑んだ時と面影が重なる。
歯のチェックも済んだリリアは、そこでアサギを不思議そうに見上げた。
「放電期って、どのくらいで終わってくれるの? まだ続く?」
「数は次第に減りますが、十五歳くらいまでは続くと思います。姫様ほどの大物のあやかしとなると、恐らくは放電も威力が増していくことが推測されますので、発散の対策は考えておきます」
「分かった。アサギに任せるわ」
リリアは、こっくりと頷いてみせた。その頭にあるふわふわの狐耳も一緒に動いていて、使用人達が「かーわーいーい」という目を、主人と同じく向けていた。