半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
するとアサギが、黒狐の顔をリリアに向けてきた。ちょっと人型の時より読み取りづらいその顔には、え、バカなの、と書かれてある気がした。
「何よ、何か言いたいことがあるなら、はっきりおっしゃい」
ムッとして、リリアは言った。
「あ。今の言い方、すごくオウカ姫っぽいです。だってほら、俺ってイケメン狐じゃないっすか? だから、あとは毛並みさえバッチリ整えればいいわけで――」
「ごめん、アサギの自信所と基準が、よく分からなくなってきた」
その直後、大きな声がしてリリアは口を閉じた。そこには、外で観賞会の準備を進めていたメイド達の一部がいた。
「アサギ様!」
「へっ、は、はい!?」
ピンポイントで呼ばれた彼が、びくっとして反射的に答えた。
「ブラッシングなら、是非わたくし達にさせてくださいませ!」
そう言った直後には、メイド達が鼻息を荒くしたままアサギに飛びかかっていた。
彼が屋敷内で黒狐の姿を見せたのは、正体を明かした日以来のことだ。実のところ、そのもふもふっぷりが大好評だったのである。
「何よ、何か言いたいことがあるなら、はっきりおっしゃい」
ムッとして、リリアは言った。
「あ。今の言い方、すごくオウカ姫っぽいです。だってほら、俺ってイケメン狐じゃないっすか? だから、あとは毛並みさえバッチリ整えればいいわけで――」
「ごめん、アサギの自信所と基準が、よく分からなくなってきた」
その直後、大きな声がしてリリアは口を閉じた。そこには、外で観賞会の準備を進めていたメイド達の一部がいた。
「アサギ様!」
「へっ、は、はい!?」
ピンポイントで呼ばれた彼が、びくっとして反射的に答えた。
「ブラッシングなら、是非わたくし達にさせてくださいませ!」
そう言った直後には、メイド達が鼻息を荒くしたままアサギに飛びかかっていた。
彼が屋敷内で黒狐の姿を見せたのは、正体を明かした日以来のことだ。実のところ、そのもふもふっぷりが大好評だったのである。