半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
眩しい月明かりが降り注いでいた。
ツヴァイツァーが日頃、庭師と一緒になって整えている伯爵邸の庭園広場。そこに屋敷の人達が全員参加で、夜のティーパーティーが開かれた。
「父様。それじゃ、ちょっと行ってくるわね」
「可愛いリリア、いいかい、アサギから離れてはいけないよ?」
「分かってる!」
とっぷり日も暮れた〝飛行〟なんて、させたことがない。
好奇心旺盛な娘であるので、ツヴァイツァーは少し心配そうにした。ふわりと浮かび上がったリリアは、気持ちのまま犬歯を見せるように勝気に笑いかける。
「それでは、姫様行きますよ」
「うん!」
黒狐のアサギが、二本の尾を揺らして夜空を目指した。その後を追って、リリアは一緒に月夜へ舞い上がる。
こんなにも高く飛んだのは初めてだ。
一気に上へと浮かび上がったリリアは、ハタと眼下の光景に気付く。
月光が降り注ぐ夜の大地。そこには朝や、日中の光景とは違う、青白く美しい夜の光景が広がっていた。
高度が上がるにつれて、その光景は新鮮にリリアの目に映った。明かりの灯った伯爵邸や、村の家々の灯りが、全部ひっくるめて一つの美しい風景となる。
ツヴァイツァーが日頃、庭師と一緒になって整えている伯爵邸の庭園広場。そこに屋敷の人達が全員参加で、夜のティーパーティーが開かれた。
「父様。それじゃ、ちょっと行ってくるわね」
「可愛いリリア、いいかい、アサギから離れてはいけないよ?」
「分かってる!」
とっぷり日も暮れた〝飛行〟なんて、させたことがない。
好奇心旺盛な娘であるので、ツヴァイツァーは少し心配そうにした。ふわりと浮かび上がったリリアは、気持ちのまま犬歯を見せるように勝気に笑いかける。
「それでは、姫様行きますよ」
「うん!」
黒狐のアサギが、二本の尾を揺らして夜空を目指した。その後を追って、リリアは一緒に月夜へ舞い上がる。
こんなにも高く飛んだのは初めてだ。
一気に上へと浮かび上がったリリアは、ハタと眼下の光景に気付く。
月光が降り注ぐ夜の大地。そこには朝や、日中の光景とは違う、青白く美しい夜の光景が広がっていた。
高度が上がるにつれて、その光景は新鮮にリリアの目に映った。明かりの灯った伯爵邸や、村の家々の灯りが、全部ひっくるめて一つの美しい風景となる。