半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
アサギが、長く優雅なもふもふの二本の尾を揺らして夜空を飛ぶ。あとに続いたリリアは、彼の毛並みが、月光にあたって細かくきらきらと輝きをこぼしているように見えた。
下降の感覚をつかむように地上の近くまで向かった。それから、家先で待ってくれていた村人達に挨拶していきながら、民家の少し上を飛行していく。
アサギは、二本の尾と凛々しい狐姿を褒められ、まんざらでもなさそうだった。毛並みが良いと褒められた時は、とくに愉快そうに目を細めていた。
「まるで悪巧むような顔に見えるわ」
「ただの狐顔のせいです。姫様、人からされるブラッシングって最高ですねー」
「私も一緒にさせようったって、そうはいかないからね」
「あら、バレてました?」
いったん、伯爵邸の庭園上空まで戻った。夜空散歩は良好であるとツヴァイツァー達に伝えたのち、再びリリアはアサギと飛行練習に入った。
空中での追い駆けっこを提案され、アサギの二本の尻尾を追った。
不思議と、とても楽しくなってきた。気付いた時には、互いにじゃれるように雷撃と炎をぶつけあっていた。
地上にいたツヴァイツァーが、何やら驚きの声を上げる。アサギがすかさず「大丈夫ですよー」と一言だけ投げ返した。
下降の感覚をつかむように地上の近くまで向かった。それから、家先で待ってくれていた村人達に挨拶していきながら、民家の少し上を飛行していく。
アサギは、二本の尾と凛々しい狐姿を褒められ、まんざらでもなさそうだった。毛並みが良いと褒められた時は、とくに愉快そうに目を細めていた。
「まるで悪巧むような顔に見えるわ」
「ただの狐顔のせいです。姫様、人からされるブラッシングって最高ですねー」
「私も一緒にさせようったって、そうはいかないからね」
「あら、バレてました?」
いったん、伯爵邸の庭園上空まで戻った。夜空散歩は良好であるとツヴァイツァー達に伝えたのち、再びリリアはアサギと飛行練習に入った。
空中での追い駆けっこを提案され、アサギの二本の尻尾を追った。
不思議と、とても楽しくなってきた。気付いた時には、互いにじゃれるように雷撃と炎をぶつけあっていた。
地上にいたツヴァイツァーが、何やら驚きの声を上げる。アサギがすかさず「大丈夫ですよー」と一言だけ投げ返した。