半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
しばらく、夜空に放電の明かりと、赤黒い炎の光が続いた。
「どうです姫様、楽しいでしょう? これが妖狐の遊びです。こうやって妖力の使い方を覚えていきます。姫様は無意識とはいえ、俺の力の威力に合わせて相殺されていて、コントロールもお上手です」
「なんとなくこれくらいなら同じかな、って思ってやったの」
「その感覚を今後、意識してよりよく感じるようにやってみてください。そうすれば次第に、ご自身の妖力を正確に扱えるようになるでしょう」
空中散歩に加えて、妖力のぶつけ合いのデビューも無事に果たし、リリアは満足げなアサギに導かれるがまま地上へと戻った。
待っていたツヴァイツァーに、アサギは先程の攻撃合いは妖狐の遊びであることを説明した。妖力のコントロールのため、明日から地上でも授業の一つに加えると告げた。
その間、彼はずっと、村人達に褒められた毛並みを自慢するように、胸を張ってお座りしていた。
人語を介す黒狐に、料理長が半ば理解したような顔でこう言った。
「つまり、貴族のお坊ちゃんが、剣を嗜むのと同じってわけですか」
リリアは、あやかしの中でも戦闘に長けた種族だ。それを聞いた使用人一同、ツヴァイツァーと共に「なるほど」と納得の声を揃えたのだった。
「どうです姫様、楽しいでしょう? これが妖狐の遊びです。こうやって妖力の使い方を覚えていきます。姫様は無意識とはいえ、俺の力の威力に合わせて相殺されていて、コントロールもお上手です」
「なんとなくこれくらいなら同じかな、って思ってやったの」
「その感覚を今後、意識してよりよく感じるようにやってみてください。そうすれば次第に、ご自身の妖力を正確に扱えるようになるでしょう」
空中散歩に加えて、妖力のぶつけ合いのデビューも無事に果たし、リリアは満足げなアサギに導かれるがまま地上へと戻った。
待っていたツヴァイツァーに、アサギは先程の攻撃合いは妖狐の遊びであることを説明した。妖力のコントロールのため、明日から地上でも授業の一つに加えると告げた。
その間、彼はずっと、村人達に褒められた毛並みを自慢するように、胸を張ってお座りしていた。
人語を介す黒狐に、料理長が半ば理解したような顔でこう言った。
「つまり、貴族のお坊ちゃんが、剣を嗜むのと同じってわけですか」
リリアは、あやかしの中でも戦闘に長けた種族だ。それを聞いた使用人一同、ツヴァイツァーと共に「なるほど」と納得の声を揃えたのだった。