半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「うるっさい馬鹿! アサギには話で聞いてたけど、これでハッキリした。私だって……っ、私だって〝私達〟を嫌う〝あんた達人間〟なんか、大っ嫌いよ!」
空中で止まった彼女が、ありったけの妖力を込めて攻撃態勢に入る。
両手に集めた眩しいくらいの放電の固まりに、サイラスが足を止めて両手で杖を構えた。まずいと思ったのか、大魔法の詠唱を始める。
「私、妖狐でいい! あんた達に、人間だとかそう思われなくったっていい! 人間なんて嫌い! 大嫌いっ!」
――父が好きだ。屋敷のみんな大好きだ。領民だって。
言葉にするごとに、彼らのことが過ぎって、胸が張り裂けそうだった。でも、自分にそう言い聞かせないと、気付いたショックで動けなくなりそうだった。
「いつか大妖怪になって、あんた達なんか虫けら扱いしてやる! あ、あんた達人間なんてッ、大嫌いよぉぉおおおおおおお!」
ぶわりと涙が溢れた直後、リリアは巨大な雷を放とうとした――のだが、それは直前に妨害されて食いとめられた。
「ちょっと待ったぁぁああ!」
唐突に飛び込んできた黒狐が、そう人語で叫びながらリリアの身体に体当たりした。彼女の手から妖力が離れた瞬間、その集められた妖力に向かって激しい業火を放つ。
空中で止まった彼女が、ありったけの妖力を込めて攻撃態勢に入る。
両手に集めた眩しいくらいの放電の固まりに、サイラスが足を止めて両手で杖を構えた。まずいと思ったのか、大魔法の詠唱を始める。
「私、妖狐でいい! あんた達に、人間だとかそう思われなくったっていい! 人間なんて嫌い! 大嫌いっ!」
――父が好きだ。屋敷のみんな大好きだ。領民だって。
言葉にするごとに、彼らのことが過ぎって、胸が張り裂けそうだった。でも、自分にそう言い聞かせないと、気付いたショックで動けなくなりそうだった。
「いつか大妖怪になって、あんた達なんか虫けら扱いしてやる! あ、あんた達人間なんてッ、大嫌いよぉぉおおおおおおお!」
ぶわりと涙が溢れた直後、リリアは巨大な雷を放とうとした――のだが、それは直前に妨害されて食いとめられた。
「ちょっと待ったぁぁああ!」
唐突に飛び込んできた黒狐が、そう人語で叫びながらリリアの身体に体当たりした。彼女の手から妖力が離れた瞬間、その集められた妖力に向かって激しい業火を放つ。