半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「あなた方は、オウカと俺の子が殿下と婚約した、という名分も欲しいんでしょう。そして来年までに婚約者をあてなければならない、と焦っている」
「うっ……そ、その通りです。推測に間違いはございません……」
「そして俺は、まだ幼いあの子を、俺の今のできるかぎりで守りたいと思っています。あなた方と同じ考えの貴族は、他にもごろごろいそうですからね」
だから、リリアが決定権が持てる十六歳になるまでは、婚約者としての名前を〝貸す〟。
それはいずれの婚約破棄を認めたうえでの、契約的な婚約案であった。ハイゼンが理解したのを見ると、伝え終わったツヴァイツァーはそっと手を離した。
そうでなければ、幼いリリアを守れないと、ツヴァイツァーは父として判断した結果でもあった。
――今回の件で分かったことは、どうあったとしても、リリアは傷ついてしまうだろう、ということだ。
紳士の皮を破り捨てて喧嘩をしたいところだが、そうすると妖狐一族もついてくるのでダメだ。とすると最低限、人間側から自分達を放っておいてもらう――。
その方が最善策だろうと、ツヴァイツァーには思えた。
「うっ……そ、その通りです。推測に間違いはございません……」
「そして俺は、まだ幼いあの子を、俺の今のできるかぎりで守りたいと思っています。あなた方と同じ考えの貴族は、他にもごろごろいそうですからね」
だから、リリアが決定権が持てる十六歳になるまでは、婚約者としての名前を〝貸す〟。
それはいずれの婚約破棄を認めたうえでの、契約的な婚約案であった。ハイゼンが理解したのを見ると、伝え終わったツヴァイツァーはそっと手を離した。
そうでなければ、幼いリリアを守れないと、ツヴァイツァーは父として判断した結果でもあった。
――今回の件で分かったことは、どうあったとしても、リリアは傷ついてしまうだろう、ということだ。
紳士の皮を破り捨てて喧嘩をしたいところだが、そうすると妖狐一族もついてくるのでダメだ。とすると最低限、人間側から自分達を放っておいてもらう――。
その方が最善策だろうと、ツヴァイツァーには思えた。