半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「まっ、あの距離まで近づいても大丈夫ということは、彼の方も魔力のコントロールが随分成長した証拠でしょうね」
とくに関心もなくアサギが言って、焼きキチンを骨ごとバリバリと食べた。
リリアは、つい自分と比べて何も言えなくなった。
そこに関しては、向こうの方が鍛錬も積んでいることは認めていた。いまだリリアは、カッとなって放電してしまうことも多い。
「姫様の場合、仕方ないです」
沈黙から胸中を察したように、アサギが何食わぬ顔で言った。
「普通、これだけの妖力を持っていたら、外をほいほい歩けないくらい影響を与えますが、仔狐にしてはかなり上達が早いほどです」
そうは思えない。こうして人間が多くいる会場でアサギが常に付いているのも、リリアがうっかり暴走してしまうのを止めるためなのだ。
現在、サイラスは最強の魔法使いとして、十五歳の身で既に王宮魔法部隊をとりまとめていた。
国内に五人しかいない無詠唱魔法の使い手で、独自に様々な魔法も編み出し続けている天才。それなのに満足せず魔法修行、研究、と鍛錬も重ねて力と技を磨き続けている。
とくに関心もなくアサギが言って、焼きキチンを骨ごとバリバリと食べた。
リリアは、つい自分と比べて何も言えなくなった。
そこに関しては、向こうの方が鍛錬も積んでいることは認めていた。いまだリリアは、カッとなって放電してしまうことも多い。
「姫様の場合、仕方ないです」
沈黙から胸中を察したように、アサギが何食わぬ顔で言った。
「普通、これだけの妖力を持っていたら、外をほいほい歩けないくらい影響を与えますが、仔狐にしてはかなり上達が早いほどです」
そうは思えない。こうして人間が多くいる会場でアサギが常に付いているのも、リリアがうっかり暴走してしまうのを止めるためなのだ。
現在、サイラスは最強の魔法使いとして、十五歳の身で既に王宮魔法部隊をとりまとめていた。
国内に五人しかいない無詠唱魔法の使い手で、独自に様々な魔法も編み出し続けている天才。それなのに満足せず魔法修行、研究、と鍛錬も重ねて力と技を磨き続けている。