半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「先にも言いましたが、俺達の時間は長いんです。姫様は、望まれる方と沿い遂げればいいのだと思います。――俺も〝里の者達〟も反対しません、姫様にずっと付いていきます」
穏やかに告げたアサギが、途端にパッとひょうきんな笑顔を作る。
「もしかしたら、旦那様のような人間と巡り会うかもしれませんし? そのままスピード結婚、なんていう可能性もありますよね」
リリアは、ぐっと言葉を詰まらせた。やや動揺を見せたのち、どうにか持ち直して強気な態度で肩にかかった髪を払った。
「絶対にないわね。私、そんな子供みたいな夢なんて、見ないし」
その露骨な強がりを見て、アサギが「え~」と眉を寄せた。
「でも姫様、ロマンチックな小説にドハマりしているじゃないですか。正統派騎士様が、最近のツボなんですよね?」
「うっ……そういえばアサギには、つい熱く語っちゃっていたんだっけ」
心の声をぽろっと口にしたリリアは、そこでハッとする。
穏やかに告げたアサギが、途端にパッとひょうきんな笑顔を作る。
「もしかしたら、旦那様のような人間と巡り会うかもしれませんし? そのままスピード結婚、なんていう可能性もありますよね」
リリアは、ぐっと言葉を詰まらせた。やや動揺を見せたのち、どうにか持ち直して強気な態度で肩にかかった髪を払った。
「絶対にないわね。私、そんな子供みたいな夢なんて、見ないし」
その露骨な強がりを見て、アサギが「え~」と眉を寄せた。
「でも姫様、ロマンチックな小説にドハマりしているじゃないですか。正統派騎士様が、最近のツボなんですよね?」
「うっ……そういえばアサギには、つい熱く語っちゃっていたんだっけ」
心の声をぽろっと口にしたリリアは、そこでハッとする。