半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「ふ、ふん! いいのよ、どうせ似合わないって、自分でも分かっているんだから」
物語に出てくる女の子は、みんな守られるような可愛らしい子達だ。
まだ完璧にコントロールできてなくて、うっかりのレベルで雷撃を落とすような自分とは、真逆だと分かっている。
そもそも、とリリアは宙に浮いたまま悔しそうに拳を作った。
初めてお目にかけた絶世の美少年。なのに性格が最悪だった、あのクソ忌々しい第二王子サイラスと正反対の男であれば、どれも素敵に思えてもくるというもの。
「言っておくけど、物語としてちょっと面白そうだなって思って、読んでいるだけなんだからね。騎士様と運命的な恋に落ちてラブラブしたいなんて、私はぜんっぜん思ってないんだからね!」
ぷいっとリリアがそっぽを向く。
その様子を、段差の方からアサギがぼけーっと眺めつつ頷く。
「なるほど、なるほど。しかし先日も、『颯爽と連れ出す騎士様とか、最高にかっこいい』『現実に起こらないかしら』『きゃー』――とか言ってませんでしたっけ?」
物語に出てくる女の子は、みんな守られるような可愛らしい子達だ。
まだ完璧にコントロールできてなくて、うっかりのレベルで雷撃を落とすような自分とは、真逆だと分かっている。
そもそも、とリリアは宙に浮いたまま悔しそうに拳を作った。
初めてお目にかけた絶世の美少年。なのに性格が最悪だった、あのクソ忌々しい第二王子サイラスと正反対の男であれば、どれも素敵に思えてもくるというもの。
「言っておくけど、物語としてちょっと面白そうだなって思って、読んでいるだけなんだからね。騎士様と運命的な恋に落ちてラブラブしたいなんて、私はぜんっぜん思ってないんだからね!」
ぷいっとリリアがそっぽを向く。
その様子を、段差の方からアサギがぼけーっと眺めつつ頷く。
「なるほど、なるほど。しかし先日も、『颯爽と連れ出す騎士様とか、最高にかっこいい』『現実に起こらないかしら』『きゃー』――とか言ってませんでしたっけ?」