半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「ちょッ、なんでそんなことまで知っているのよ!?」
嘘でしょ、リリアは思わず目を剥いた。
「嘘じゃないですよ。蔵書室での叫び声が大き過ぎて、使用人一同バッチリ聞こえていました」
「うっそぉおおおお!? ちょ、その時、父様も菜園のところにいた日じゃないのっ」
「ああ、ちなみに旦那様は、そういうのもオーケーだそうです」
「いいの!?」
「姫様が幸せならそれでオーケー。ひとまず全力で応援するので、その際には『愛の逃避行』はせず、一番に相談して欲しいとおっしゃっていました」
父様、よほどあの王子が嫌なのね……。
リリアは、日頃から『クソ王子』とも呼んでいる父のツヴァイツァーを思い返した。社交の場で、娘の婚約者、として顔を合わせるのも嫌であるらしい。
『俺とオウカの可愛いリリアを、ヤローに渡すのは嫌だ……くっ、しかし、あと約一年、周りから『あ、第二王子殿下の義理の父になる人だ』なんて言われるのが、もっと嫌!』
そう言っていたのを思い返すと、電撃恋愛でもして婚約者の位置からリリアを逃がしたい、という彼の気持ちもありありと分かった。
嘘でしょ、リリアは思わず目を剥いた。
「嘘じゃないですよ。蔵書室での叫び声が大き過ぎて、使用人一同バッチリ聞こえていました」
「うっそぉおおおお!? ちょ、その時、父様も菜園のところにいた日じゃないのっ」
「ああ、ちなみに旦那様は、そういうのもオーケーだそうです」
「いいの!?」
「姫様が幸せならそれでオーケー。ひとまず全力で応援するので、その際には『愛の逃避行』はせず、一番に相談して欲しいとおっしゃっていました」
父様、よほどあの王子が嫌なのね……。
リリアは、日頃から『クソ王子』とも呼んでいる父のツヴァイツァーを思い返した。社交の場で、娘の婚約者、として顔を合わせるのも嫌であるらしい。
『俺とオウカの可愛いリリアを、ヤローに渡すのは嫌だ……くっ、しかし、あと約一年、周りから『あ、第二王子殿下の義理の父になる人だ』なんて言われるのが、もっと嫌!』
そう言っていたのを思い返すと、電撃恋愛でもして婚約者の位置からリリアを逃がしたい、という彼の気持ちもありありと分かった。