半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「まぁ、小説に出てくる騎士様みたいな、ああいう感じの人がいると素敵よね」
外では澄ましているけれど、恋愛小説を楽しく読んでいるのは認める。
リリアだって年頃の女の子だ。半分人間としての血が流れているせいか、他の令嬢と同じくらいには恋愛に興味があった。
……絶対に叶わないと分かっているから、興味がないふりをしてるけど。
だって、負けたみたいで悔しいのだ。他の女の子達は、異性に好きになってもらえるけど、リリアは違う。
自分のことを『好き』だと言ってくれる誰かが現れたのなら、リリアにとって一番の最高な贈りものだ。毎日がとても素敵になるだろう。
「剣一本ってところも男らしいし、軽々と抱き上げちゃうあたりもポイントよ」
「ははぁ、なるほど。姫様って、結局のところ強いオスが好きなのでは?」
「失礼しちゃうわね。別に、私より強くなくったっていいの。護衛してる騎士様とか、誠実で素敵な人だったら、貴族じゃなくても結婚しちゃうかも――」
不意に、カサリと衣擦れの音が聞こえて、リリアは言葉を切った。
外では澄ましているけれど、恋愛小説を楽しく読んでいるのは認める。
リリアだって年頃の女の子だ。半分人間としての血が流れているせいか、他の令嬢と同じくらいには恋愛に興味があった。
……絶対に叶わないと分かっているから、興味がないふりをしてるけど。
だって、負けたみたいで悔しいのだ。他の女の子達は、異性に好きになってもらえるけど、リリアは違う。
自分のことを『好き』だと言ってくれる誰かが現れたのなら、リリアにとって一番の最高な贈りものだ。毎日がとても素敵になるだろう。
「剣一本ってところも男らしいし、軽々と抱き上げちゃうあたりもポイントよ」
「ははぁ、なるほど。姫様って、結局のところ強いオスが好きなのでは?」
「失礼しちゃうわね。別に、私より強くなくったっていいの。護衛してる騎士様とか、誠実で素敵な人だったら、貴族じゃなくても結婚しちゃうかも――」
不意に、カサリと衣擦れの音が聞こえて、リリアは言葉を切った。